会社の資金を確保するためにファクタリングの利用を行うこともあるでしょう。
ファクタリングをは売掛債権を持っているなら、買取りという仕組みでお金を得ることができ、資金調達を行うことが可能です。
ただ、ファクタリングを利用するときはキャッシュフローを考えることも大事であり、計画的に行動しないと経理の効率が悪くなることもあります。
ファクタリングとキャッシュフローの内容について紹介していきましょう。

ファクタリングのキャッシュフローのメリットとは
銀行融資や消費者金融に頼るよりも、ファクタリングを利用した方がキャッシュフローを考えたときに良いメリットを得ることができます。
ファクタリングのキャッシュフローのメリットには以下のようなポイントがあります。

早期で資金を得ることができる
ファクタリングは銀行融資による借入とは違い売掛債権をファクタリング業者に買取りしてもらう流れとなっています。
銀行で融資を受けようと思うと書類などの提出を行ってから審査され資金提供という流れになっていますが、審査時間が長くなかなか資金調達することができないことがあります。
銀行や消費者金融の審査時間が長くなってしまう理由
お金を担保を入れて貸すことになるからです。
会社の経営状態をしっかり確認して相手の資産を確認しないと貸側が大損してしまうリスクがあります。
そのため、時間がかかりますが企業側としては資金調達の期間が遅ければ遅いほど
- キャッシュフローの流れが悪くなる
- 会社経営も厳しくなる
などしてしまいます。
しかし、ファクタリングの場合は売掛債権と言う元々入ってくるお金をファクタリングを通して早めにお金に変えているだけです。
そのため、お金を借りるというわけではありません。
ファクタリングを利用する際も
- 書類の提出
- 審査
などもありますが、銀行や消費者金融よりも緩いです。
しかも、ファクタリングは利用してから即日で入金してもらうこともでき、時間がかかるとしても2日〜4日で買取り金額を入金してくれます。
入金が早いほどキャッシュフローも良くなるので利用を前向きに検討できます。

決算書に汚点が付かずに利用することができる
ファクタリングだと決算書にまとめるときに、汚点を付けることなく利用することができます。
銀行や消費者金融の場合は借入れという形なので、お金を融資してもらうときも借金をすることになり、決算書にもその事を記載しなくてはいけません。
決算書に借金の記載があれば内容として悪化してしまい、自分の会社の
- 信用
- 信頼性
という点で傷が付いてしまうこともあります。
信用や信頼に傷がつく理由
決算書に借金をしているという項目があるなら、会社の経営が悪い事を示してしまうためです。
しかし、ファクタリングであれば売掛債権を買取りという形で資金提供するため借金ではありません。
そのため、決算書にも「売掛債権売却損」の勘定科目を利用して通常の経費として会計の損金計上するだけです。
借入金を増やすことがないので決算書にも傷が付かず内容を悪化させることはありません。
そのため、ファクタリングを利用した際に資金が少なくなっても、決算書には>記載されないので銀行融資を受けることは可能です。
銀行融資のためのつなぎ融資として利用することもでき、キャッシュフローとしても良い効果を期待できます。


経営を安定させることができる
キャッシュフローのことを考えて、ファクタリングを利用するなら経営を安定させることも可能です。
企業は赤字を出し続けていると倒産する可能性がありますが、黒字であっても資金ショートして黒字倒産することがあります。
どんな経営状態でも資金巡りが悪いと会社は倒産することになるため、キャッシュフローの改善としてファクタリングは大きなメリットです。
売掛債権が多くてもキャッシュフローが悪化することも
例えば、売掛債権を多く保有していても大半が先の期日であるなら、資金が底を付くなどキャッシュフローが悪化します。
しかし、ファクタリングの利用で売掛債権の買取りをしていけば資金を得てつなぐことができるので、キャッシュフローも安定して会社も存続できます。
ファクタリングを利用することにより、キャッシュフローはかなり安定させることができ、想定外の資金が必要になった場合も対処しやすいです。
ファクタリングを利用することで黒字倒産を避けることができ、急に資金が必要になった場合も資金提供をすることができます。
経営を安定させるという意味では、ファクタリングに頼ることは大事なことと言えるでしょう。

ファクタリングのキャッシュフローのリスクとは
ファクタリングのキャッシュフローを行うときはリスクも考慮しておく必要があります。
ファクタリングも利用する際にリスクを知っておかないとデメリットとなり、流れが悪くなることもあります。
ファクタリングのキャッシュフローは以下の点を注意しておきましょう。

過度のファクタリングは資金の巡りが悪くなる
キャッシュフローの改善として売掛債権を持っているなら、ファクタリングを利用するのは良い方法です。
しかし、売掛債権がたくさんあり過度にファクタリングを利用するのはリスクがあります。
ファクタリングを利用する際は手数料がかかるのですが、その手数料は銀行の融資を受ける際の利子よりも高いことが多いです。
ファクタリングを利用するときは通常
- 2者間取引
- 3者間取引
のどちらかで売掛債権の買取りをしてもらうことができます。
手数料の割合
- 2者間取引の場合は手数料が10〜20%ほど
- 3者間の場合は最大15%ほど
銀行は年率が期間と金額によりますが、10%ほどです。
そのため、ファクタリングに過度に頼ると手数料をたくさん取られることになり、長期的に見るとキャッシュフローが低下して赤字経営になることもあります。
ファクタリングを何度も利用すれば大損
ファクタリングは即日で資金を得られますが、何度も利用するなら元々期日に入金されるはずの売掛金が手数料で引かれてしまうことになるので大損してしまうこともあります。
急な資金の必要や短期間でまとまったお金が必要になった場合はファクタリングを利用するのはもちろん良い方法です。
ただ、ファクタリングのみに頼るのではなく銀行融資とも合わせて上手に資金調達することがキャッシュフローの改善につながります。
取引先との兼ね合いも考えておく
ファクタリングを利用するときは取引先との兼ね合いも考えておく必要があります。
ファクタリングを利用するときに考えるべき要素には手数料がありますが、これは取引内容によって変わります。
企業は2者間と3者間取引で取引を行いますが、3社間の方が手数料が安いです。
3者間は自社とファクタリング会社と売掛先の企業の3つで取引を行い、申請した企業に
- 売掛金を持ち逃げされるリスク
- 売掛金が支払われないリスク
が低いからです。
そのため、利用する企業側は3社間取引の方がキャッシュフロー的にも良いのですが取引先にファクタリングしたことがバレるため、後々の取引に影響が出てしまうこと考えられます。
3者間取引により手数料を抑えて資金調達ができても、取引先との関係が悪くなり以後取引に悪影響が出るならキャッシュフローどころか経営面で大きなダメージを受けます。
3者間取引の方がキャッシュフローとしては好都合ですが、取引先との兼ね合いがポイントになってきます。


キャッシュフロー改善の際にファクタリングをした方が良いタイミングとは?
会社経営のキャッシュフローが悪いならファクタリングをすることがおすすめです。
ただ、バランスよく利用する必要があるので、ファクタリングをするタイミングについて知っておくことも大事です。
どんな場合にファクタリングの利用が行えるのか紹介しましょう。

赤字決算や税金滞納などで融資が受けられないとき
ファクタリングを利用するときは、
- 赤字決算
- 融資が受けられないとき
に利用することがおすすめです。
もし赤字決算でもなく、銀行に書類申請などをして審査を通過することができるようであれば、銀行融資の方がキャッシュフローが良くなります。
銀行融資のメリット
銀行融資の方が利子が安く、月々で分割による返済なので会社の資金のやり繰りも行いやすいからです。
しかし、銀行融資は審査が厳しく、
- 赤字が続いている
- 税金滞納などをしている
などの場合なら融資を受けることは難しいです。
そんな場合に売掛債権を持っているなら、ファクタリングをすることで資金を調達することができ、キャッシュフローの改善につなげることもできます。
もし、持っている売掛債権の中で信用が高い取引先のものがあれば3社間取引をすることで、下記などメリットがあります。
信用が高い取引先との3社間取引のメリット
- 手数料を抑えることができる
- キャッシュフローを良くすることができる
銀行融資が使用できないときに利用するのが1つのベストなタイミングです。
融資の枠を使用したくない場合
融資をいざと言うときに使用しておきたいならファクタリングの利用も検討できます。
例えば、
- 取引先との大きな取引が控えているとき
- 繁忙期を過ぎた後の資金の補填などをしたいとき
には銀行の融資の方が大きな資金調達を行えます。
銀行融資は1度使用すると、
- その銀行では使用できない
- 他の銀行でも審査対象として不利に見られることもある
ため、できれば大口の案件があるときなど企業の業績アップの機会があるときに利用したいはずです。
そのため、短期的に資金が必要になる程度であれば、ファクタリングを利用してキャッシュフローの改善を行うのがおすすめです。
少しの間のみファクタリングを利用して資金を補填できるなら、
- 大きな取引を成功させたとき
- 繁忙期
の際にファクタリングで支払った手数料分も取り返すことができます。
ファクタリングを利用しても後々に手数料分も取り返すことができるようなら、銀行ではなくファクタリングのキャッシュフローの改善でも問題ありません。


会計で負債を増やしたくないとき
企業にとっては会計上で負債を増やしたくない場合もあるでしょう。
会計上での負債が増えるなら企業としての評価も低くなり、銀行の融資を受けるときにも審査に落ちてしまい経営面で大きな痛手を被ることになるからです。
資金調達のために会計の負債を計上しないために、ファクタリングを利用することが可能です。
ファクタリングは買取りと言う形なので会計では負債として計上する必要はありません。
キャッシュフローの改善のための資金調達ならファクタリングの方が経営の会計面での痛手は無いため、利用しやすいでしょう。
会計上で負債の記載が無いなら、下記のような効果があるので、取引を締結しやすくなる要因ともなります。
会計上で負債の記載が無い場合
- 企業の純資産利益率が向上する
- 企業の対外的な評価も向上する
企業の評価が決定する
- 決算期
- 融資前
などであれば、ファクタリングを利用してキャッシュフローの改善を図り評価を維持することが可能です。


債権を高く買取してもらえるとき
ファクタリングによる資金調達でキャッシュフローの改善をするタイミングは
- 債権の価値
- 与信
が高い場合に考えることができます。
債権の価値や与信が高いなら手数料を下げることができ、金額にもよりますが3社間ファクタリングの場合は手数料が1.5%〜5%ほどまで下がることがあります。
もし5%ほどであれば100万円の売掛債権でも、手数料は5万円ほどなので大きな出費とはならないでしょう。
そのため、
- 売掛債権の与信
- 価値が高くなる状況
を見極めることが大事です。
債権の価値が高くなるのは基本的にリスクが少ないものです。
債権の価値が高くなる例
- 売掛先が国や自治体である
- 入金実績が豊富で支払い遅延のない企業
- 企業の状況が黒字売掛先の経営も安定して倒産リスクがないところ
国や自治体は倒産することはないので、売掛先としては1番信用することができるところです。
また売掛先の企業も
- 支払い遅延がない
- 経営が黒字である
ような大企業であれば手数料はかなり低く抑えられます。
売掛先の価値が高いようであればキャッシュフローにも良い効果が得られるのでファクタリング利用してみましょう。
売掛金が高い場合
ファクタリングを利用するときは、高い売掛債権を持っているときに利用することもできます。
売掛金が高い時にファクタリングが利用できる理由
売掛金が高いならファクタリングは手数料が抑えやすく、その分ファクタリングの価値も上がるからです。
金額が高いとファクタリングの手数料が下がるのかというと、固定費支払いがあるためです。
ファクタリングは
- 出張費
- 登記費用
など、手続きを行うときに必ずかかる出費があるため、売掛金の金額が小さいと手数料が増えてしまうことになります。
売掛金が少ないほど手数料がかかり利用する側が損をしてしまうため、キャッシュフローを考えるのであれば、売掛金が高いものを保有しているときに利用を考えるのがいいです。
売掛金の金額の高さで言えば1,000万円を超えているなら十分な金額となるでしょう。
キャッシュフローを考えて損をしないためにも売掛金額も注意しておくようにすべきです。

3社間ファクタリングができる売掛債権
ファクタリングを利用するときはに、3社間取引を行える売掛債権を持っているなら利用することも検討できます。
3社間取引であるメリットは手数料が安いことです。
2社間は10〜20%ほどの手数料ですが、3社間は2〜10%ほどなのでかなり手数料を抑えることが可能です。
ただ、3社間取引は取引先を巻き込んでのファクタリングなので、取引先との信頼関係が強固である必要があります。
取引先との信頼関係が重要な理由
ファクタリングすると言うことは取引先に資金が少なく赤字でありキャッシュフローが悪いことを伝えているようなものだからです。
そのため、ファクタリングをして取引先との関係が悪くなるようであれば、利用しない方がいいですが、もし取引先も知られても問題ないようであれば手数料を抑えて資金調達できるためキャッシュフローにも良い効果を得られます。
3社間取引が行える売掛先を持っているならファクタリングでキャッシュフロー改善してみましょう。

ファクタリングの利用でキャッシュフロー改善を行おう
ファクタリングを利用するならキャッシュフローの改善を見込むことができます。
ただ、リスクもあるためしっかり状況を見極めることも大事です。
ファクタリングと銀行融資の両方を考えながらキャッシュフローを安定させるようにしましょう。