会社の資金調達のためにファクタリングを利用する人もいるでしょう。
ファクタリングだと売掛債権を買取りしてもらうことで資金を作ることができるので、銀行や消費者金融を利用した融資よりもリスクは少ないように感じるでしょう。
しかし、ファクタリングを利用した際に「自己破産してしまうことはないのか?」と心配してしまう人もおられるでしょう。
ファクタリングで自己破産してしまうリスクはあるのか内容を紹介していきます。

このページでわかる事
ファクタリングをして自己破産になる原因とは?
ファクタリングは売掛債権を買取る仕組みであり、貸金となっているわけではないので、自己破産してしまうリスクは低いです。
しかし、ファクタリングの
- 契約内容
- やり方
に注意をしておかないと自己破産してしまうこともあります。
どのような点に注意しておく必要があるのか以下をご覧ください。

償還請求権が内容に含まれている
ファクタリングをするときは通常買取りスタイルなので、売掛債権をファクタリングに買取りしてもらった時点で利用した会社には何の責任も発生しません。
しかし、ファクタリングで3社間取引をしたときに償還請求権が契約に盛り込まれている場合は、内容が変わってきます。
償還請求権が盛り込まれている場合
償還請求権が盛り込まれているなら、文字売掛先が倒産などしてファクタリング会社が売掛金を回収することができなかった場合、一部の損害をファクタリング会社に負担しなくてはいけません。
償還請求権の価格はファクタリング会社との契約によって変わってきますが、金額が高い場合は償還請求権での求めに応じることができず、会社を倒産させて自己破産しなくてはならないこともあります。
償還請求権を契約に盛り込むなら手数料が安いなどのメリットがありますが、返済するリスクも背負ってしまうことになるため、よく熟考して契約する必要があるでしょう。

手数料が高くて自己破産に追い込まれることもある
手数料が高くて自己破産に追い込まれることもあります。
ファクタリングは手数料の相場があり、
- 2社間取引であれば大体10〜20%ほど
- 3社間取引であれば2〜10%ほど
です。
もし、これ以上の手数料を要求されたなら、悪質な手数料の金額となる可能性も生じます。
また、給料ファクタリングを利用するときは上限の金利が20%ほどとなっており、この制限以上の手数料を請求するなら出資法違反となってしまいます。
もし、手数料を法外な価格で取られてしまったなら、実際に入ってくる売掛金よりもかなり低くなり、その場では対応できても直ぐにお金が足りなくなって自己破産に追い込まれることもあるようです。
給料ファクタリングを利用したある人は60%ほどの手数料を取られる事例もあり、高額な手数料を要求してくるファクタリング会社により自己破産する人もいます。
担保を取られてしまう
ファクタリングを利用したときに担保を取られてしまうこともあります。
ファクタリングは基本的に買取りになるため、担保を取られることはありません。
しかし、悪質なファクタリング会社の場合は「売掛金が入金されるまで」と言う理由を付けて担保を要求してくることがあります。
もし担保を付けて売掛先が売掛金を支払うことができなければ、ファクタリング会社に担保を取られてしまいます。
担保は会社や自分の資産なので、それがとられてしまってお金がなくなり自己破産してしまうこともあります。
ファクタリング会社に担保を要求されても実際は受け入れる必要はないので、怪しいファクタリング会社の場合は避けるようにした方が賢明でしょう。

ファクタリング利用後の自己破産前に考えておくこと
ファクタリングをしても資金が無くなり、自分ではどうしようも無くなってしまったなら、自己破産することを考えるかもしれません。
ただ、ファクタリングを利用して自己破産になりそうなら、申請をする前に考えておくべきことがあります。
どのような点を考えることができるのか以下のポイントをご覧ください。

過払金請求を行えるのか確認
ファクタリングを利用したときに以下に当てはまる場合は、超過分をファクタリング会社に過払金請求することを検討できます。
ファクタリング会社に過払金請求できる場合
- 手数料が高過ぎる設定である場合
- 不当にお金を取られた場合
過払金請求を申請して受理されたなら、ファクタリング会社は
- 不当な利息
- 支払った手数料分
を相手に支払うことが裁判所から要求されます。
ファクタリング会社が3社間取引の際に
- 売掛債権の買取りを15%以上
- 給料の買取りを20%以上
で行ったなら出資法違反になるため理論的には超過した分の金額の返金は認められるはずです。
過払金請求は裁判所を通して申請することができるので、もし手数料が不当に請求されていたなら自己破産を考える前に手数料の返金を行えるのか考えておきましょう。

違法な契約の場合は無効にできることも
ファクタリングを利用するときの契約に違法性があるなら、その契約を無効にできる可能性もあります。
ファクタリングの契約で違法性があるものでは、例えば担保を要求している事項が組み込まれていることです。
ファクタリングは取引の仕組みから担保を要求することはできないため、もし担保を取る契約が組み込まれているなら違法な契約として破棄することが可能です。
また、ファクタリング会社は賃金業に当たるので、
- 違法な手数料の設定
- 毎月利息を支払う
などの契約が組み込まれていて違法性が高いなら無効にすることも可能です。
もし、契約自体に違法性があるならお金を返金しなくても良い場合もあります。
返金しなくてよい場合
不法な原因に基づいたものであれば不法原因給付として、ファクタリング会社から返金を要求されても返金しなくて良いことが法律で決められいます。
そのため、ファクタリング会社が行う契約に関して違法性がないのか、自己破産する前に考えてみることができます。
もし違法性があるなら支払わなくて良い費用になりますし、ファクタリング会社から得たお金の返還も応じる必要がありません。
何よりもー自分の資産を守ることができ、自己破産せずに済むかもしれません。
このような場合があるので契約にも注意しておきましょう。

自己破産する前に弁護士への相談も行おう
もし、ファクタリングを利用しても
- 資金が底ついてしまう
- 借金が増えてしまう
場合でも、自己破産する前に弁護士に相談してみることが大事です。
弁護士に相談することで自己破産を免れる可能性もあるからです。
以下のようなメリットを得ることもできます。

不当な請求やお金を返してもらえる可能性がある
もし、ファクタリングをしたときに不当な請求をされているなら、弁護士に依頼することで過払金請求を行えることもできます。
給料ファクタリングなどでは年利をごまかして不当な手数料を付け加えている事例もあり、その場合は弁護士がしっかり確認してくれます。
素人の自分が手数料の高さを述べて訴えたとしても悪質なファクタリングの場合は相手にしてくれないこともあります。
しかし、弁護士が述べるなら相手も要求に応じる可能性はかなり高くなり、不当な支払い分を返金してくれるはずです。
手数料の年利については素人では分からないこともありますが、弁護士であれば法律のプロなのでしっかり対応してくれる信頼もあります。
弁護士に相談することで自己破産を免れる可能性もあるでしょう。

契約内容をしっかり確認してくれる
ファクタリングの契約内容は、初めて利用する人にとって何を確認すればいいのか分からないことが多いです。
契約をしっかり見たつもりでも見落としてしまうこともあるため、契約内容をしっかり確認するためにも弁護士に相談して確認してもらうのがおすすめです。
弁護士に相談して契約内容を確認してもらえるなら、以下のような不正を暴いて行動してもらえます。
弁護士に契約内容の確認で暴いてもらえること
- 手数料が法外になっているので過払金請求を行えること
- 不当なお金なのでファクタリング会社の要求に応じる必要がないこと
弁護士に依頼することで費用はかかりますが、その分自己破産するリスクは少なくなり、会社を立て直すことも可能になるでしょう。
悪質な契約内容による自分のリスクを軽減するためにも弁護士の利用はメリットとなるでしょう。
相手の恐喝にも対応
悪質なファクタリング会社によっては恐喝などの脅しで返済を迫ることもあります。
相手が不正を働いているにも関わらず脅していても、恐喝は大きな不安を抱くので脅しに負けて倒産や借金をしてでも返金をする人もいます。
しかし、悪質なファクタリングからの脅しも弁護士に依頼するなら辞めさせることができます。
弁護士に依頼することで交渉は弁護士と行う必要があり、自分に直接脅して交渉することはできません。
また、脅しは恐喝になり法律で禁止されている行為に当たるので弁護士に相談することで相手の悪質な脅しは無くなります。
悪質なファクタリングの場合はいろいろな理由をつけて脅してくることがありますが、弁護士に相談するなら
- リスクがなくなる
- 自己破産という最悪なケースも避けることができる
でしょう。

ファクタリング利用後に自己破産するメリット
ファクタリングを利用しても
- 「会社の業績が上がらない」
- 「借金まみれになって返済することができない」
という状況になったなら、自己破産を考えるべきです。
自己破産するなら全てを失うように思えるかもしれませんが、状況次第ではメリットに傾くこともあるため、内容を把握しておきましょう。
自己破産には以下のメリットがあります。

全ての借金が帳消しになる
自己破産するなら全ての借金を帳消しにすることができます。
自己破産は裁判所に申請を行うことで今まであった借金の支払い義務が免除されるからです。
ファクタリングを利用しても
- 借金を返せない
- 資金のやりくりができずに借金がどんどん増えていく
といったときでも、自己破産することで借金の支払いから解かれます。
どんなに計画しても借金を返すことができず、苦悩しているなら自己破産の申請をして全てをリセットするのがいいでしょう。
強制執行もされなくなる
自己破産をするなら強制執行もされなくなり、差し押さえなどを行えないようにします。
借金があると自分の物に関して差し押さえを行うことがあり、全ての物を利用できなくなることがあります。
しかし、自己破産は手続きをしている段階で債権者が債務者に対して強制執行することができなくなり、自分の物が差し押さえられることを防ぐことができます。
自己破産が成立すれば自分の所有しているものは没収されるものもありますが、ファクタリング会社からの差し押さえを回避する手段として考えることもできます。

財産は少し残すことが可能
自己破産をするなら「全てが無くなる」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、自己破産をしても全てが無くなるわけではなく、生活に必要な財産は残すことが可能です。
法律では差し押さえが禁止されている財産が記されており、下記などの財産は手元に残すことができます。
差し押さえが禁止されている財産
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- テレビ
- PC
そのため、自己破産をしても一部の財産は残してスタートすることが可能です。
自己破産しても全てが無くなるわけではないので安心しましょう。

ファクタリング利用後に自己破産するデメリット
自己破産をすることはメリットだけでなく、やはりデメリットの方が大きいです。
自己破産を行うなら
- 不動産
- 著作権
などの全ての財産は全て没収となり、手元には一部のものしか残らなくなります。
また、政府の機関にも
- 住所
- 氏名
が載ることになり、お金だけでなく社会的な信用も失います。
ブラックリストに載ってしまうので、借入れを行うことはできずクレジットカードの発行も行うことができません。
自己破産をすれば借金は全て無くなりますが、金融関係のことについては制限を受けてしまい、しかも5〜10年と期間も長いです。
自己破産は慎重に考えて決断するようにしましょう。

ファクタリングの自己破産は慎重に検討しよう
ファクタリングで自己破産に追い込まれそうなときは、ファクタリング会社が悪質な方法を取っていないのか確認しましょう。
もし悪質な方法であれば弁護士に相談することで自己破産せずに済むこともあります。
自己破産すると後々制限が重くなるので回避できるなら行動することが大事です。
慎重に決断するようにしましょう。