会社の経営や資金調達のためにファクタリングを利用する人もいるでしょう。
ファクタリングを利用することで
- 資金をしっかり確保できること
- 急な資金の用意をするときにも準備すること
が可能です。
ただ、ファクタリングを利用する際には相場を考えておくことも大事です。
相場を知らなければファクタリングをした際に自分が損をしてしまうことになるためです。
ファクタリングの相場はどうなっているのか内容を紹介していきましょう。

ファクタリングの相場はどれくらい
ファクタリングを利用するときは手数料の相場をしっかり知っておくことです。
ファクタリングを利用するときは手数料がかかるので手数料の相場を知っておかないとたくさん取られて損をしてしまうからです。
ファクタリングの手数料の相場について内容を解説していきましょう。

2社間取引の手数料の相場
ファクタリングを利用するときは、いろいろな取引によって手数料の相場が変わってきます。
まずは2社間取引の際の相場です。
2社間取引は
- ファクタリング会社
- 企業
のみが取引をする仕組みとなっています。
2社間なので買取りというスタンスとなっており、手数料の相場は15〜20%ほどです。
2社間の場合は、もし相手企業が持ち逃げした場ならファクタリング会社は売掛債権を回収できずに大損してしまいます。
保証人がいないため手数料が高い場合も
相手企業のみとの取引なので保証人もおらず、リスクが高い分手数料も20%超えに設定しているファクタリング会社もあります。
もちろん、売掛先から売掛債権が入金されたのに持ち逃げするなら、それは違法になり刑罰に処されてしまいます。
多くの企業は法令を遵守するので売掛債権の持ち逃げはないですが、売掛債権を狙った詐欺もあるため、ファクタリング会社としても手数料の相場を上げています。
ただ、この相場以上の手数料設定になっているなら、ファクタリング会社自体が悪質な場合もあるため、利用する際の目安とできるでしょう。
3社間ファクタリングの手数料の相場
ファクタリングを利用するときは3社間取引で資金調達することも可能です。
3社間取引の場合は
- 企業
- ファクタリング会社
- 売掛先企業
の3社を通して取引が行われます。
3社間の場合は相場が2〜15%ほどになっており、2社間取引よりも手数料が低い相場とっています。
3社間取引の方が手数料の相場が低い理由
3社間取引の手数料の相場が低いのは売掛先が中間に入っているためです。
企業に買取金額を渡したなら、ファクタリング会社は期日になれば売掛先から直接売掛金をもらうことができます。
そのため、売掛債権を持ち逃げされることも少なくリスクが低いため手数料の相場も低くなっています。
また3社間取引の場合は売掛先を担保とする仕組みになっているため出資法に沿って営業をする必要があります。
出資法では年利が15%までと決められているので、15%以上の手数料を取ることはできない仕組みとなっています。
3社間ファクタリングの場合は上限が15%以内なので、この手数料相場以上になれば優良なファクタリング会社とは言えません。
3社間取引の手数料相場も確認しておきましょう。

ファクタリングの着手金の相場
ファクタリングにば着手金と言われるものがあり、これは売掛債権の金額や数に関わらずに売掛先1件ごとに発生する費用です。
着手金の相場は1件あたり3万円ほどになっており、売掛先が複数あるならそれだけ売掛の着手金が増えます。
例)3つ売掛先がある場合
3つ売掛先があるなら、それぞれのファクタリング会社には3万円を支払うので9万円の費用が発生する計算です。
着手金の相場は3万円ほどなのでファクタリング会社によっては
- 多少金額が前後してしまうケース
- 着手金が発生しないファクタリング会社
もあります。
もし、着手金が発生しないなら無駄な費用を削減することができ、ファクタリング会社への売掛債権の買取り金額を多く得ることができます。
逆に相場金額以上の着手金を求められた場合は損失が大きくなるため避けるようにしておきましょう。

ファクタリングの諸経費の相場
ファクタリングを利用するときは諸経費を求められることもあります。
ファクタリングの諸経費の種類はいろいろありますが、諸経費の主な項目は6つあり、それぞれの相場金額も違いがあります。
諸経費の主な項目6つ
- 審査手数料:5,000円ほど
- 事務手数料:1〜3万円ほど
- 振込み手数料:実費
- 出張費:距離や打ち合わせにより変化
- 交通費:上記同様回数や範囲により変化
- 契約書の添付収入印紙代:契約金額により変化(大体200円〜20万円)
手数料の相場は大体が決定していますが、
- 振込み手数料
- 出張費
- 交通費
などは自分の使用している銀行や距離、回数によって違いがあります。
ファクタリング会社の裁量によって変化する部分もあるため、場合によっては高くなることもあります。
特に出張費は距離が遠くなるほど高くなってしまうため、手数料が安く設定されているファクタリング会社でも出張で来るなら高くなってしまうことも考えられます。
そのため、ファクタリングを利用するときは自社のスタッフに直接出向かせた方が結果的に諸経費を抑えることも可能です。
- 出張費
- 交通費
はファクタリング会社が設定できるため、悪徳業者の場合は高い金額を要求されることもあります。
諸経費の見積もりを取るなどして
- 相場の確認
- 高額設定になっていないのか確認
するようにしましょう。

医療ファクタリングの手数料相場
医療ファクタリングの手数料相場はどれくらいかかるのか知っておくのも大事です。
医療ファクタリングの場合は
- 診療報酬
- 歯科診療報酬
- 介護報酬
- 調剤報酬
の4つが含まれています。
保険機関からの報酬支払いはノーリスクのことが多いですが、入金までに2ヶ月ほどかかるなど、期間の長さがデメリットとなっています。
しかし、医療ファクタリングを利用するなら早期で報酬を得られるので、資金のやりくりが厳しいところは大きなメリットです。
医療ファクタリングは業者側のリスクが少ないので、手数料は低めに抑えられています。
医療ファクタリングの手数料相場は1〜2%ほどとなっており、2社間や3社間取引よりも手数料相場はかなり少ないことが分かります。
医療ファクタリングは
- 国保
- 社保
を介した3社間取引であり、売掛先の機関は信頼性が高いです。
そのため、ファクタリング会社も持ち逃げなどのリスクはなく手数料をかなり抑えた相場を提示できます。

国際ファクタリングの手数料相場
国際ファクタリングとは、名前が示す通り国際的な輸出取引の際に活用できるファクタリングサービスです。
海外のファクタリング業社との連携をして
- 海外の販売先の信用調査
- リスクの保証
を行うのが主な目的です。
輸出取引となるとリスクに対して信用状を解説する必要がありますが、手間がかかる作業です。
しかし、国際ファクタリングの場合は以下のような特徴があります。
国際ファクタリングのメリット
- 信用状を開設するよりも簡易的に手続きを行うことができる
- 手数料も安くて取引の安全性も高い
そのため、国際ファクタリングは輸出業者にとっては資金調達の際に利用しやすいです。
国際ファクタリング利用の際の手数料の相場は大体1〜2%ほどになっているので、取引の中でも安い設定となっています。
手数料の相場よりも高いと悪質なファクタリング会社の可能性もあるため注意しておきましょう。

保証ファクタリングの手数料相場
保証ファクタリングというのは売掛金の早期現金化ではなく、売掛金のリスク回避が主なサービスです。
売掛先に経営上の不安が生じている場合は売掛金が回収できない可能性があります。
もし、売掛先が予想通り倒産してしまうことになれば、売掛債権を回収することができないので、自分の会社も倒産してしまうことを心配するかもしれません。
売掛先に倒産の不安があるなら、保証ファクタリングを利用して売掛金を失うリスクを抑えることができます。
ファクタリング会社が売掛金を保証
リスクに応じて保証料を支払うなら、ファクタリング会社が売掛金を保証してくれるので、売掛先が倒産しても資金を回収することが可能です。
保証ファクタリングの手数料相場は2〜15%ほどとなっており、取引の仕組みから出資法に基づいておく必要があり、15%までしか手数料は設定できません。
つまり15%を超えた手数料だと相場は関係なく違法になるため、利用するな年利に応じた手数料になっているのか確認しましょう。

ファクタリングの登記の固定費
ファクタリングには登記費用もかかり、
- 固定費
- 手続き費用
がかかります。
それぞれの費用には相場があるため、相場を確認しておくことが大事です。
まずはファクタリングの登記の固定費です。
登記の固定費は下記の費用がかかります。
登記の固定費
- 債権譲渡登記の登記免許税で7,500円
- 登記抹消の登録免許税で1,000円
- 登記事項証明書交付で500円
これらは固定費となっているので、それぞれの費用負担をする必要があります。
続いて登記の手続き費用です。
ファクタリングの登記の手続きは
- 司法書士へ依頼する
- 有資格者が在籍するファクタリング業者に手続きを代行してもらう
のいずれかで行うことができます。
登記の手続き費用の相場としては下記の通りとなっています。
登記の手続き費用の相場
- 債権譲渡登記費用で6〜8万円ほど
- 登録抹消費用に3〜4万円
- 司法書士の紹介料で3万円ほど
特に債権譲渡登記の手続き費用は売掛債権の金額を問わずに6〜8万円ほどの費用がかかり、かなり大きな出費が発生してしまいます。
ファクタリング会社ば売掛債権の金額が少ないほど債権譲渡登記の手続き費用がネックとなるため、少ない金額の場合は手数料が高くなる可能性もあります。
債権譲渡登記の相場を確認して、手数料が上がってしまう可能性をチェックしておきましょう。
ファクタリング会社の手数料相場を見抜く方法とは
ファクタリング会社の手数料相場を確認しておくことは大事ですが、相場を知っていても
- 売掛金の金額
- ファクタリング会社の設定
によってファクタリングにかかる手数料は変わってきます。
そのため、ファクタリングの手数料が正当なのか相場を見極める必要があるでしょう。
ファクタリングの相場を見極める方法があるので、そのポイントを紹介します。
3社以上に見積もりをしておく
ファクタリングは3社以上に見積もりを取ることで相場を知ることができます。
ファクタリングは取引の方法によって相場があるとはいえ、明確に〇〇万円の場合は手数料〜円とは決まっていません。
ファクタリングが手数料を決定するのは
- 売掛先が債権を支払える確実性
- 利用した会社の倒産リスク
- ファクタリングを利用した会社が入金したお金を使い込まないかのリスク
- ファクタリング会社の経営方針
などによって決まります。
そのため、ファクタリング利用した際の手数料の提示が相場通りなのか確認するため、1社ではなく3社以上でファクタリングの見積もりを依頼しておくことがおすすめです。
1社のみだと相場以上の手数料を設定されている可能性もあり、相場に関して不安な部分があるからです。
しかし、3社ほどに見積もりを出すなら手数料の相場は似ていることが分かり、相場に関して信頼性が高くなるでしょう。
もし、1、2社が高い手数料設定だとしても、3社以上に見積もりを取っていれば高額手数料の支払いを避けることは可能です。
ファクタリングを利用するときは相場の確認のため3社以上に見積もるようにするといいでしょう。


ファクタリング手数料以外の諸費用の確認
ファクタリングを利用するときには諸費用が発生するので、その相場金額の確認をしておくことが大事です。
- ファクタリングの手数料
- 諸経費
は別々になっているため、諸費用の点を確認しておかないと多くの支払いが発生することもあります。
ファクタリング会社によって諸費用の請求方法は変わっており、
- 諸費用を手数料込みで請求するところ
- 諸費用と手数料を別途で請求しているところ
もあります。
そのため、ファクタリング会社から手数料を請求された際、まずは諸経費が入っているのか確認しましょう。
諸経費が入っているなら、その諸経費の金額の見積もりを出してもらうことで相場の確認が行えます。
諸経費の場合は金額が固定されているものが多いので、
- 見積もり
- 請求書
を見ることで相場通りなのか確認できます。
怪しい点が多いところは避ける
諸経費を出してくれないファクタリング会社は相場以上に金額の提示をしているなど、怪しい点が多いので避けておいた方がいいでしょう。
ファクタリングの諸経費の確認をしておくことで支払う費用の相場を確認できるでしょう。
相場から分かる優良ファクタリングのポイント
ファクタリング会社の相場が分かれば、優良なのか怪しい業者なのか確認することができます。
ファクタリングを安全に利用するために相場から分かる優良業者のポイントも確認しましょう。

事前に契約内容の確認や説明を丁寧にしてくれる
ファクタリングの利用するときに相場の確認をしたときに、契約内容について丁寧に説明をしてくれるなら、優良業者であると安心できます。
相場の確認をしたときに、なぜこの金額になるのか理解することができれば、手数料の内容に説得力を感じられます。
優良業者の場合は手数料をしっかり計算して数字を出しているため、手数料の確認をした際の
- 相手の反応
- 対応
で信頼性が分かります。
もし、手数料の金額を説明できないなら怪しいのでやめておいた方がいいでしょう。
手数料が公式サイトで確認できるようにしている
手数料の相場を確認するためには公式サイトを見ておくことも大事です。
優良ファクタリング会社は公式サイトで手数料について明確に記載しており、各取引に関して手数料の目安を提示してくれています。
公式サイトに記載されている手数料は、そのファクタリング会社で取引するときの明確な相場となります。
そのため、ファクタリング会社を利用する前に公式サイトで相場の確認をしておくことで優良なのか悪質なのかある程度の判断を行えます。

ファクタリングの相場に関するよくある質問
- 審査手数料 0円〜5,000円ほど
- 印紙税 金額により変わる
- 登記費用 登録免許税は1件につき7,500円ほど、債権譲渡登記は1件につき15,000円、延長登記1件3,000円、抹消登記1件1,000円
- 司法書士報酬 債権数20個まで45,000円ほど
- 出張費用 必要に応じて
という相場になります。
ファクタリング会社の相場に関してまとめ
ファクタリングを利用するなら手数料の相場の確認をしておくことが大事です。
相場の確認をしておくことで、自分の売掛債権の買取りを損をせずに行えます。
相場の確認は大事な手順の1つなのでしっかりポイントを押さえておきましょう。