クレジットカードを長年使っている人にとって、家族カードの存在は知っていても手を出せずにいる人が少なくありません。
家族カードについてよく知らないからこそ、年会費をバラバラに支払った結果として勿体無い使い方をしている人が少なくありません。
では、生計を同一にして暮らしている家族ならば、家計管理の一貫としてクレジットカードの家族カードを作ることでなぜ節約出来るのでしょうか。
家族カードはどのような条件で発行されるのか
クレジットカードを契約しようとしても申し込み審査で落とされてしまう人の中には、専業主婦や無職の人が多く含まれます。
現金主義で生活してきた人にとっても、一部インターネットプロバイダや格安SIMといったクレジットカードのみを決済手段としている事業者が登場したことにより、クレジットカードを何とか1枚欲しいと考える人が少なくありません。
クレジットカードには、本会員以外に家族会員制度があるので、審査通過に自信が無い人ならば家族カードの発行を目指してみると良いです。
家族カードを発行出来る条件とは
家族カードを発行出来る範囲は、高校生を除く満18歳以上の家族としているカード会社が多いものの、利用規約を確認すると家族カード発行対象範囲に違いがあることが分かります。
具体的には以下の5つのパターンのうち、どこまで認めているかという点に違いがあるわけです。
家族カードを発行出来る条件
- 配偶者
- 高校生を除く満18歳以上の子
- 両親を含む直系尊属
- 兄弟姉妹
- 従兄弟または従姉妹
多くのカード会社は、直系1親等及び配偶者については家族カードの発行を認めていますが、2親等以上についてはカード会社により方針が大きく異なります。
また、本会員1名に対して家族カードを発行出来る枚数に制限があるので、そもそも従兄弟または従兄弟といった4親等離れた親族まで家族カードの発行対象となることは少ないです。
原則として生計を同一にしていることが条件となり、家族関係を証明する書類が別途必要になるので余程の事情が無い限りカード会社にとってはリスクが高い行為となります。
家族カードは追加発行されるクレジットカード
家族カードは、本会員の収入が安定していて支払い能力が十分にあるならば、本会員が支払いの責任を持つことを保証する代わりに指定した家族に対して家族カードを発行できる制度です。
既に本会員の審査を終えてクレジットカードが発行されていれば、家族カードとして発行できる家族については一部の例外を除いて審査無しでクレジットカードの発行が出来ます。
なぜなら、1枚のクレジットカードを複数枚に分けただけであって、本会員の与信力に応じて設定した利用限度額の範囲内で全てのクレジットカードを利用することになるからです。
- カード会社から見れば、実際に支払う本会員さえしっかり信用状況調査を行えば、あとは不正利用さえ注意すれば済みます。
- このため、家族カード発行条件として生計を一つにする同居家族であって、高校生を除く満18歳以上の家族としているカード会社が多いです。
パーソナルアカウントタイプについては家族カード審査が行われる
一部のカード会社が発行している請求を個別の名義人とするパーソナルアカウントタイプの家族カードは、本会員に最終的な支払い保証をさせるものの普段の支払口座は家族カード名義人となります。
このため、支払口座に関する家族カード名義人の審査を一定の基準の下で行い、審査にパスした場合のみパーソナルアカウントタイプのクレジットカードが家族名義で発行される状態です。
パーソナルアカウントタイプの家族カードが設定されているのは、ゴールドカードやプラチナランクのカードといった一般カードよりもランクが上のクレジットカードに限定されます。
家族カードは名義人本人しか使えない
家族カードは名義人として家族の名前が記載されていて、家族カードを本会員が使うことは出来ません。
同様に家族カードを複数枚発行している場合であっても、必ず名義人としてクレジットカード表面に印字されている家族カード会員しか利用できない仕組みとなっています。
もし名義人と違う家族が勝手に家族カードを持ち出して使った場合には、盗難紛失補償対象外となる点に注意が必要です。
家族カードを発行するメリットとデメリット
クレジットカードの本会員が家族カードを発行するメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
様々な家族構成があるので、家計を支える働き手の人数により生活費を出す割合や事情が異なります。
しかし、本会員よりも遥かに年会費が安い家族カードならば、家計費全体の節約にも繋がるはずです。
では、家族カードを発行する際には、どのような点を知っておけば良いのでしょうか。
家族カードのメリットを知ろう
家族カードを持つことは、本会員と家族会員の間で予め話し合った上でクレジットカードを使うルールを決めておく必要があります。
なぜなら、家族全員が家族カードを好き勝手に使ってしまうと、浪費癖が付いてしまいかねないからです。
では、具体的に家族カードのメリットとしてどのようなものがあるか確認してみましょう。
家族カードのメリット
- クレジットカードの年会費を家族カードなら節約出来る
- 最もランクが高いクレジットカードの付帯サービスを受けられる
- 家族全員でポイントを貯められる
- 利用明細票で無駄遣いのチェックが出来る
- ブラック属性の家族がいても家族カードなら作成可能
クレジットカードの年会費を家族カードなら節約出来る
クレジットカードの年会費は、一般カードなら年会費永年無料というケースが多いですが、ゴールドカード以上は年会費が発生します。
プラチナランクのカードならば年会費5万円以上となりやすいので、家族がそれぞれプラチナランクのカードを持つと年会費だけでも高額になりかねません。
家族カードならばステータスカードであっても年会費無料または数千円という範囲で済むので、ステータスカードのサービスを受けつつ年会費を節約可能です。
家計が別であったり家族仲が悪かったりする場合には個別にクレジットカードを作成する必要がありますが、生計を同一にしているなら最もステータス性が高いクレジットカードを持っている会員を本会員として、家族カードを発行するとお得です。
最もランクが高いクレジットカードの付帯サービスを受けられる
どのクレジットカードを本会員として家族カードを発行するか自由に決められるので、クレジットカードの利用規約を確認した上で家族カード作成可能枚数と年会費を比較して決めると良いです。
家族カードであっても本会員に付与されている内容と同等の付帯サービスを受けられるので、空港ラウンジ利用だけでなく国内と海外旅行傷害保険の補償額も一般クレジットカードとは比較にならないほど高額な補償を受けられます。
また、ステータスカードならば旅行傷害保険は自動付帯となることが多く、ショッピング保険も適用範囲が広く設定されているので、いざという時に安心です。
家族で旅行を行う場合に航空機を利用すると、クレジットカードの付帯サービスで利用できる空港ラウンジは会員本人のみが原則となっていて、一部例外として配偶者1名を別料金で利用可能というクレジットカードが多くなっています。
家族カードを持っていれば、家族全員で空港ラウンジを利用できることになるので、発行枚数次第で快適な旅行を楽しめるわけです。
家族全員でポイントを貯められる
クレジットカードを利用すると付くポイントには、セゾングループのような永久不滅ポイントを各カード会社が付与しているわけではありません。
クレジットカード利用時のポイント還元は、有効期限が設定されているので原則として有効期限切れを起こした分のポイントは無効です。
最も有効期限が短いOricoPointは1年間となっているので、最低利用可能ポイント数1,000ポイント未満は常に捨てている状況となります。
家族カードを発行してクレジットカードを本会員と家族カード会員揃って利用すれば、大抵の場合で有効期間内に最低利用可能ポイントを楽々貯めることが可能です。
貯めたポイントは家族で話し合ってマイルに交換して旅行時に使うといった選択が出来るので、計画的にポイントを使えば無駄になることはありません。
利用明細票で無駄遣いのチェックが出来る
家族カードを発行すると、請求は本会員の預金口座から自動引き落としとなりますが、利用明細票はカード番号ごとに個別発行となります。
このため、利用金額を日付順に追わなくても名義人ごとに利用明細票が集計されているので、家族間で精算する際に分かりやすいです。
また、どこで何に使ったのか利用明細票にはある程度記載されているので、家族間で互いに無駄遣いのチェックが出来ます。
中には配偶者の小遣い管理の一環として家族カードを活用している場合があるので、家族カードを無闇に使いすぎることを防げるわけです。
ブラック属性の家族がいても家族カードなら作成可能
クレジットカードへ申し込みを行ってもクレジットカード審査に落ちてしまう人がいても、家族カードならば多くの場合で作成可能です。
かつて金融事故を起こしたためにクレジットカードを作成出来ない状態という人は、クレジットカードを1度も作成したことが無い人であっても存在します。
明らかに自己破産や個人再生・任意整理を行った金融事故者であっても、本会員が支払い者となるので家族カードなら発行可能です。
また、過去に金融事故を起こしていなくてもクレジットカードは安定した収入がある人に対して発行しているので、個人事業主や自営業者についてはビジネス用カード以外は発行されないといった問題を回避出来ます。
クレジットカードの家族カードにはデメリットも存在する
クレジットカードの家族カードはいくら審査がほとんど行われないからといって無闇に作るとデメリットがあります。
では、具体的に家族カードにはどのようなデメリットが発生するのでしょうか。
家族カードのデメリット
- 家族カードでは自分のクレヒスを育てられない
- 家族カードは本会員にカード利用明細を確認されてしまう
- 新規入会特典が貰えない
- 利用限度額は全てのクレジットカードと合算
- 本会員が家族カードを管理することが絶対条件
家族カードでは自分のクレヒスを育てられない
家族カードとして発行されたクレジットカードを利用した履歴は、原則として本会員に返済実績が付くのでクレジットヒストリーは本会員のものとなります。
社会人経験があるにも関わらず、30代以上となっても家族カードしか保有していないとクレヒスを積めないために一般クレジットカード作成に影響が出てしまいかねません。
そこで、クレヒスを育てるために使うクレジットカードを別途用意した上で、本会員のステータスカードの付帯サービスを利用したいならクレジットカードの使い分けが必要です。
家族カードは本会員にカード利用明細を確認されてしまう
家族カードを利用していると、パーソナルアカウントタイプを利用しているかどうかに関わらず、本会員はクレジットカード利用明細票を確認出来ます。
家族内でこっそり買い物をしたいと考えた時には、家族カードを使うと何を購入したのか家族にバレてしまう点が要注意です。
たとえば主婦がクレジットカード現金化をするときに家族カードを使うと、他の家族に知られてしまうのでご注意ください。
やましい買い物をしなければ良いわけですが、それでも世代による考え方には違いが出るので、購入内容について注意されてしまうことになりがちです。
家族カードを利用した履歴は家族全員に共有されるという意識を持って使わなければなりません。
新規入会特典が貰えない
クレジットカードへ新規加入すると、ポイントアップやキャッシュバック還元といった施策の適用を受けられることが多いです。
しかし、家族カードは新規追加してもあくまで本会員に付属する追加カード契約に過ぎません。
このため、新規加入促進キャンペーン対象とはならずに既存顧客向けに提供している利便性を高めるサービスの一環とカード会社からは認識されています。
このため、年会費は安いものの家族カードは新規入会特典は貰えないと考えて置く必要があります。
利用限度額は全てのクレジットカードと合算
家族カードは、あくまでも本会員以外の家族が本会員が持つ与信枠の範囲内で買い物が出来るようにするクレジットカードです。
このため、利用限度額は本会員に付与されたクレジットカード限度額と基本的に同じであって、本会員が家族カード個別に対して利用制限額を設定しない限りは本会員と家族会員全て合わせて共通の利用限度額となります。
なぜなら、最終的な返済義務者を本会員と設定しているために、本会員の返済能力に応じた利用限度額となるからです。
どうしても自分1人だけで単独の利用限度額設定が欲しいなら、家族カードではなく一般クレジットカードを自分名義で持たなければなりません。
本会員が家族カードを管理することが絶対条件
家族カードを発行する際には、申し込み手続きは本会員が行うことになっていて、同時に支払い条項について本会員が全ての責任を持つこととされています。
本会員が家族に頼まれたからといって安易に家族カードを追加発行することは、自らの借金を増やす原因となりかねません。
このため、本会員が家族カードを厳密に管理出来る体制にあることを条件として、本会員の責任にて家族カードの追加発行を依頼しなければならないわけです。
クレジットカードで支払いが苦しくなる原因の1つとして、家族カード利用分が予想外に膨らんでしまったことが原因になると知っておけば、無闇な発行を避けられます。
家族カードを利用する際の注意点をチェックしておく
クレジットカードの中でも家族カードを追加発行する場合には、家族カードならではの注意点を正確に把握した上で慎重な発行を行わなければなりません。
なぜなら、家族カードの名義人はクレジットカードを使った買い物は出来ても支払い義務は本会員にあるため、節約意識が薄れてしまいがちだからです。
利用限度額は全員で1つの枠となる
クレジットカードの利用限度額は、本会員の与信力に応じて利用限度額が設定されます。
家族カードを発行した際にも本会員と共通の利用限度額の範囲内でクレジットカードを使えるわけです。
このため、家族カード利用額が大きくなりすぎると、本会員がクレジットカード決済しようとしても利用限度額オーバーで使えない事態が発生しかねません。
そこで、家族間で話し合いを行い事前に各家族カードが使える金額に上限を設けておく必要があるわけです。
家族カードは本会員1名に対して最大何名分発行出来るのか、カード会社により利用規約で決められています。
特に最大枚数まで家族カードを発行している場合には、利用限度額オーバーとなりやすいので、カード会社に家族カード利用制限枠設定機能が付いていたら個別設定しておくと良いです。
家族カードは新規入会特典が付かないことを承知した上で申し込みする
家族カードは本会員が自らの利便性を伸ばすためにカード会社に対して追加発行を依頼するクレジットカードです。
このため、家族カードの名義人は該当する家族であっても、本会員の契約と紐付けられた家族会員でしかありません。
新規入会を行ったわけでは無いために、家族カードの申し込みをしても新規入会特典がつかないわけです。
そこで、家族カードを追加申し込みする際には、あくまでも年会費が安くステータス性が高いクレジットカードを家族に持たせたいという場合に限定されます。
家族カードを廃止するタイミングをよく話し合おう
本会員が何度注意しても家族カードを持たせた家族自体が浪費癖を止めないと、請求が全て本会員に来てしまいます。
家族カードを追加申し込みするのはあくまでも本会員ですから、家族会議を開いた時に家族カードを作成するだけでなく、浪費や使いすぎが起きた場合には家族カードを廃止する条件を決めておくと後からトラブルになりません。
家族カードは本会員がカード会社へ連絡すれば無効化出来ることを最初から家族全員へ周知しておけば、無謀な使い方をしないよう抑止力を持たせることが可能です。
家族カードのお得な使い方を知ればクレジットカードのメリットを活かせる
家族カードは本会員の特典をおすそ分けしてもらえるお得なクレジットカードですから、必ずしもショッピング利用を目的として持つ必要はありません。
自動付帯保険や提示するだけで得られるサービスを享受するために使えば良いわけです。
本会員のステータス特典を活かそう
家族カードの最も効率が良い使い方は、本会員が持つステータスカードならではの特典を知ることが大切です。
プラチナランクのカードやブラックカード保有者を本会員に持つ場合には、付帯サービスの充実度がゴールドカードとは比較にならないほど優れたものとなります。
空港ラウンジサービスの中でもプライオリティパスを利用出来るタイプならば、家族カードにも同じ特典が使える範囲を事前に確認しておくだけでも旅行先での疲労度が変わるはずです。
また、ホテルや航空機利用時にもアップグレードプログラムが適用される可能性があるので、当初予定していた旅行プランよりも豪華な旅となる可能性があります。
ホテルチェックイン時には、実際に支払うクレジットカードではなく最高ランクのクレジットカードを提示して、チェックアウト時に別のクレジットカードで決済を行うことも可能です。
夫婦間で家族カードを持ち合うという方法がある
プラチナランク以上のクレジットカードは、年会費が5万円以上するので夫婦間で必ずしも別個にクレジットカードを持つ意味は少ないです。
双方に収入があるならば、互いに異なるプラチナランク以上のクレジットカードを契約し、相互に家族カードを持ち合うようにすれば年会費を節約しつつステータスカードの特典を共有出来ます。
ブラックカードを保有するほどの年収があるなら気にしない人も多いですが、一般社会人であってもプラチナランクのクレジットカードを保有出来るようになったからこそ、年会費をなるべく安く済ませることが出来れば賢い家族カードの使い方となります。
クレジットカードを契約するなら家族カードを賢く使って家計バランスを整えよう
クレジットカードの中でも極めて安い年会費で追加作成出来る家族カードは、年会費を節約出来る方法として注目されています。
本会員が最終支払保証を行う必要がありますが、最も高いステータスランクを持つクレジットカード保有者が家族カードを追加作成すれば、付帯サービスを家族が有効活用出来るわけです。
クレジットカードは年会費に見合った付帯サービスを使い倒してこそ、お得に使えるものと考えて家族カードを活用してみると良いです。
まとめ
- 家族カード発行条件として高校生を除く満18歳以上で生計を一つにする同居家族
- クレジットカード表面に印字されている家族カード会員しか利用できない
- クレジットカードの年会費を家族カードなら節約出来る
- 家族全員でポイントを貯められる