個人で収入印紙を日頃から使っている人は、
- 事業を営む自営業者
- ベンチャー企業
以外では滅多にいません。
なぜなら、収入印紙が最も多く使われるケースとして考えられるのは、領収書へ収入印紙を貼り付けるために利用することが多いからです。
しかし、収入印紙を使い慣れていない個人にとって、必要な収入印紙を買い間違えてしまった場合など、何とかして収入印紙を現金化したいと考えることになります。
収入印紙の現金化は金券ショップへの持ち込み買取が一般的
収入印紙を現金化する場合には、誰でも考えつく方法として金券ショップへ持ち込み買取依頼を行うことになります。
何事もしっかり処理したいと考えている真面目な格さんは、黄門様へ何やら相談をしている模様です。


200円未満の収入印紙は買取不可となることが多い
金券ショップへ収入印紙の買取依頼を行うと、そもそも滅多に売れない収入印紙を在庫として抱えておくと
- 売れ残りリスク
- 汚損リスク
も上がりやすいです。
そこで、毎日のように売れる収入印紙についてのみ買い取り対象としています。
では、どの金額の収入印紙が頻繁に使われているのかチェックするためには、収入印紙についてのルールを知っておかなければなりません。
売上代金受領書へ貼り付ける収入印紙の金額は、以下のように印紙税法に定められています。
領収書の受取金額 | 収入印紙の金額 |
---|---|
受取金額未記載 | 200円 |
5万円未満 | 非課税 |
5万円~100万円以下 | 200円 |
100万円超~200万円以下 | 400円 |
200万円超~300万円以下 | 600円 |
300万円超~500万円以下 | 1000円 |
500万円超~1000万円以下 | 2,000円 |
1000万円超~2000万円以下 | 4,000円 |
2000万円超~3000万円以下 | 6,000円 |
3000万円超~5000万円以下 | 10,000円 |
5000万円超~1億円以下 | 20,000円 |
1億円超~2億円以下 | 40,000円 |
2億円超~3億円以下 | 60,000円 |
3億円超~5億円以下 | 100,000円 |
5億円超~10億円以下 | 150,000円 |
10億円超 | 200,000円 |
また、売上代金以外の受領書に対して貼り付ける収入印紙は、次のように別途定められています。
- 受取金額未記載 200円
- 5万円未満 非課税
- 5万円以上 200円

収入印紙を現金化する際に金券ショップへの持ち込みによる買い取りを依頼する際には、最初から
- 額面200円
- 額面400円
の収入印紙のみを用意することが望ましいです。
金券ショップで収入印紙を現金化するためには保存状態に注意しよう
200円または400円という額面の収入印紙を金券ショップへ持参すれば、すぐに無条件にて買い取りしてもらえるかといえば、残念ながら拒否されてしまう場合があります。
実は、収入印紙を現金化する際には保存状態が重要になることを知っておかなければなりません。

金券ショップで買い取り拒否されやすい収入印紙の種類を知ろう
金券ショップは、古物営業法に基づき買い取りを行うので、鑑定と合わせて再販売出来る収入印紙のみを買い取り対象としています。
そこで、次のような収入印紙は再販売が
- 困難
- 不可能
のいずれかとなるために、少しでも疑いがあるだけで買い取り拒否となりやすいです。
買取拒否されやすい収入印紙
- 消印と間違えられる汚れが収入印紙表面にある
- 一度剥がしたと疑われる収入印紙
- 200円未満の収入印紙
- 旧型の収入印紙
買い取った収入印紙の中で最も売れやすい種類は、
- 200円
- 400円
となるために現行収入印紙かつ保存状態が綺麗で未使用品と明らかに分かる収入印紙のみが金券ショップで買取可能な収入印紙となります。
額面が大きすぎる収入印紙は換金率が下がりやすい
収入印紙の大半は、一般的な取引を行う際の領収書へ貼り付けするために使用されるので、
- 200円
- 400円
が大半となっています。
身近なコンビニエンスストアでも販売されている収入印紙は、主に200円と400円という点からも収入印紙を身近な範囲で使う場合には額面が大きすぎる収入印紙を用いることは少ないはずです。
収入印紙は額面に応じて31種類が発行されており、額面は1・2・5・10・20・30・40・50・60・80・100・120・200・300・400・500・600・1,000・2,000・3,000・4,000・5,000・6,000・8,000・10,000・20,000・30,000・40,000・50,000・60,000・100,000円という最低1円~最高100,000円までの収入印紙が用意されています。
売上代金5億円以上となる取引の場合
売上代金5億円以上となる取引は、一部の限定された取引となるので100,000円を2枚貼るという使い方が最大となるわけです。
実際に10億円以上の売上代金を受領する際には、その都度収入印紙を購入することが一般的だと考えられます。
金券ショップ以外で収入印紙を現金化する方法は無いの?


郵便局で手数料を支払って交換してもらう
収入印紙を現金化するためには、金券ショップで買い取りしてもらいやすい種類へ交換してしまえば良いという発想をすればさほど難しくありません。
郵便局は成り立ちから収入印紙の交換を1枚につき手数料5円を払って交換してもらえるので、そのままでは売りにくい200円と400円の額面以外の収入印紙を複数枚まとめて交換依頼すれば良いわけです。
未使用にも関わらず
- 汚れ
- 破損
と判断されがちな収入印紙であっても、郵便局で新品未使用の収入印紙へまとめて交換してもらえば、堂々と金券ショップへ売却可能です。
実際に収入印紙が未使用ならば良いので、
- 白い紙
- 封筒
に貼り付けしてある状態の収入印紙であっても手数料さえ支払えば新しい収入印紙と交換してくれます。
回収した収入印紙は郵便局から財務省へと報告がされて処理されるので、面倒な手間を実質的に郵便局がしてくれていると考えて有効活用することが望ましいです。
1枚5円の交換手数料は交換前の収入印紙の枚数が基準となる
例として交換時の手数料は、次の通りになります。
- 10,000円の収入印紙1枚を200円の収入印紙50枚に交換する場合は手数料5円
- 200円の収入印紙50枚を10,000円の収入印紙に交換する場合の手数料は250円
基本的に売りやすい200円か400円の収入印紙への交換が前提となるので、郵便局の窓口へ出向く手間さえ惜しまなければ郵便局での交換作業は僅かな手数料で行えることが分かります。
自営業者や個人事業主の友人や知人に売却する
金券ショップへ売却しようとしても、現金化したい収入印紙が200円のタイプ10枚といった少額な場合、金券ショップへ出向くまでの交通費がかかりすぎるという例が少なくありません。
そこで、手間をかけずに気軽に売却出来る方法として、友人や知人の中に
- 自営業者
- 個人事業主
がいないか調べてみましょう。
日常的に領収書へ200円の額面となる収入印紙を使う機会が多いことから、信頼出来る友人から少ない枚数の収入印紙を買い取ることに対して何ら問題ありません。
すぐに使う予定が無くても、200円の収入印紙は領収書を発行する際にいくらあっても困ることが無いため、喜んで買い取りしてくれるはずです。
破損や汚れがある収入印紙ほど新品に交換してから現金化する
一時期収入印紙の偽物が出回ったことがあるため、収入印紙のデザイン変更と共に各事業所でも収入印紙に対する警戒心がまだあります。
このため、金券ショップで買い取りしている収入印紙は、日常的に収入印紙を使い慣れている中小企業の経理担当者が安心して使えるほど綺麗なタイプに限られているわけです。
収入印紙は郵便切手よりも小さく取り扱いを間違えるとすぐに
- 破れる
- 汚れる
などしやすい傾向にあります。
金券ショップへ持ち込む前の時点で保管状態がどのようなものであったか確認した上で、自分なら金券ショップに売られている収入印紙を購入すると判断できる基準に満たなければ郵便局で手数料を払っても新品に交換依頼することが望ましいです。
金券ショップの中には、買い取り対象の額面指定だけでなく旧デザインの買い取りを拒否していることが珍しくありません。
最終手段として高額額面の収入印紙なら税務署で還付してもらおう
収入印紙を現金化する際には、最終手段として税務署で返金してもらう方法があります。
税務署で返金してもらえる仕組み
手間と収入印紙の額面次第ですが、法律上定められた手続きにより本来貼り付けしなければならない額面との間に差額がある場合には、印紙税法に基づく貼り付け義務がある額面の収入印紙を上回った分について税務署で返金してもらえることになっています。
- 本人確認
- 返金
の都度記録を残す必要がありますが、収入印紙については納税制度として存在していることから、税務署自体で正しい納税方法として用意されている制度です。
- 課税対象外の文書へ収入印紙を貼り付けした場合
- 本来貼り付ける額面を超えた金額の収入印紙を貼り付けた場合
上記の2つの場合に限定して、貼付け済みの収入印紙を無効化して差額を返金するものであって、一度購入した収入印紙を税務署で買い取るわけではありません。
このため、例外的な方法として認められているものであって、繰り返し税務署経由で還付を受けることは不自然な行為となりかねないわけです。
収入印紙の現金化は手持ちの収入印紙の状態に合わせて最適な方法を探そう
収入印紙を現金化するためには、最も単純な金券ショップへの売却という方法が一般的です。
しかし、金券ショップでは
- 200円
- 400円
という多くの中小企業で使われる額面の収入印紙に限定されていて、かつての不正収入印紙騒ぎが原因で買い取り基準が厳しくなっています。
収入印紙を売りやすい額面に交換するといった工夫をすることにより、手軽に現金化出来る方法として何が最適なのか見極めることが重要です。