クレジットカードの解約や退会は、新規申込時とは異なり比較的スムーズに手続き自体は出来てしまいます。
中には電話1本のみでクレジットカード解約手続きが完了してしまうので、思いの外簡単過ぎると感じる人が多いです。
しかし、簡単に解約できるからといって影響が少ないわけではなく、解約前に解約後のことを想定した事前準備を行わないと、思わぬ不利益を被る可能性があります。
クレジットカードの解約(退会)はなぜ事前確認が必要なのか
クレジットカードの解約または退会を行うと、単に保有しているクレジットカードが無効になってハサミを入れて処分すれば良いだけと考えがちです。
クレジットカードを解約して終わりと考えていると、思わぬ所でトラブルを自ら招く結果となるわけです。
クレジットカードの解約(退会)と月次決済取り消し手続きは別物
クレジットカードの解約は、カード会社と消費者の間で申し込みと承諾が行われれば、リアルタイムで解約処理が行われます。
しかし、毎月の支払い方法としてクレジットカードを登録していた場合には、先に別の決済手段へと支払い方法変更手続きを行っておく必要があります。
- 電気、都市ガス、水道といった日常生活で必要な公共料金
- 携帯電話やインターネットプロバイダ料金
- 家賃、共益費、住宅ローン、保険料といった毎月発生する料金
これらの支払いは、1枚のクレジットカードに集めるだけで毎月ポイントが溜まり家計管理にも役立つとして利用している人が多いです。
しかし、クレジットカードの解約を行う場合には過去の利用明細票をチェックした上で、月次決済に利用している料金を別のクレジットカードへ変更するか銀行口座からの自動引き落としにしなければなりません。
クレジットカードの解約(退会)をしても残債の一括清算が残っている
クレジットカードを解約すると、その日からクレジットカードは使えなくなり、直近の締め日以降の最初の返済日にまとめて残債が一括請求されることが一般的です。
クレジットカードには、
- 一括払い
- 2回払い
- 分割払い
- リボルビング払い
- ボーナス一括払い
といった複数の支払い方法を選択出来ますが、クレジットカードの解約に伴い全て一括払いに変更されてまとめて請求となります。
このため、クレジットカード解約申入れ日時点での該当クレジットカード利用額を全て確認し、まだカード会社へ売上票が上がっていない分も含めて一括請求が来ても支払えることを確認しなければなりません。
また、全てのクレジットカードが解約時に一括精算となるわけではありませんが、三井住友カードのように分割払いやリボルビング払いについては継続して今まで設定された支払い方法のままというカード会社は稀です。
クレジットカードの解約前に一括精算有無を確認するだけでも、後日慌てずに済みます。
保有するポイントはクレジットカードの解約(退会)と共に即座に消滅する
クレジットカードのショッピング利用を行うと、クレジットカードごとに設定されたポイント還元率にて付与されます。
クレジットカードを解約すると保有するポイントは自動消滅して、後から復活出来ないことを考えるとポイント交換を先に行い商品受け取りを確認してから解約を行うことが望ましいです。
注意する点
ポイント交換申請を行っている間にクレジットカードの解約を行うと、ポイント交換申請そのものが取り消しとなって交換対象商品が届かないという問題があります。
このため、保有するポイントを全て使い切ったことを確認し、交換商品を全て受け取りしてからのクレジットカード解約を行う必要があるわけです。
クレジットカードを解約(退会)する際にはなぜシンプルな対応が多いのか
では、なぜクレジットカード解約に対してシンプルな対応が多いのでしょうか。
クレジットカードの解約(退会)は会員制を採用しているために離脱が自由とされているから
クレジットカードの解約は、クレジットカードそのものが会員制を採用しているために、カード会社側から強制解約が出来るだけでなく消費者側からは自由に解約申し入れが出来ることになっています。
年会費の有無に関わらず、クレジットカードが不要になった時点でいつでも解約出来る手軽さが魅力です。
クレジットカードを使わずに放置されて不正利用に繋がるよりも安全
では、なぜクレジットカード会社は多額のコストを掛けて新規顧客開拓を行っているにも関わらず、解約に際しては対応がシンプルなのでしょうか。
理由の1つとして、クレジットカードを使わずに放置した結果として、不正利用されてカード会社に損害が出るよりも使っていないなら解約された方が良いと考えているからです。
一度クレジットカードを解約しても、数年経過して再度会員となりたければいつでも申し込み出来ます。
カード会社にとって優良顧客以外は退会されても困らない
クレジットカードの解約は、会員数減少によりカード会社としては困ると考えがちです。
しかし、クレジットカードはあくまでも貸与であって所有権はカード会社にあるので、優良顧客以外の利用頻度が低い顧客はカード決済手数料よりも管理コストが高くついています。
そこで、カード会社にとって毎月しっかりクレジットカードを使った上で返済をしっかり行う顧客以外は、退会されても管理コストが浮く分だけ良いと考えるわけです。
クレジットカードの解約(退会)を遺留されたら理由を確認しよう
クレジットカードの解約または退会をカード会社へ申し入れした際に、多くは解約理由さえ問われませんが、稀に解約を遺留されることがあります。
実は、遺留されるケースではカード会社にとって顧客に有利な情報提供がされていることを知っておくと良いです。
少し待つだけで有利な解約が出来ることが少なくありません。
クレジットカードの解約(退会)の多くは違約金無し
クレジットカードの解約時には、大抵の場合で違約金はありません。
日本国内で発行されているクレジットカードで違約金がないもの
- VISA
- Master
- AMEX
- DinersClub
唯一事前確認または解約申し入れ時にオペレーターの遺留を考慮しなければならないのは、解約違約金付きのJCBカードについてと考えられます。
JCBの一部にはクレジットカードの解約(退会)違約金がある
新規顧客獲得時に多額の費用が掛かるため、新規契約後に一定期間内に定められた金額以上のクレジットカード決済を行わずに解約すると、解約違約金を請求する仕組みです。
手持ちのクレジットカードにJCBマークが付いていたら、解約時にオペレーターから遺留される理由が解約違約金だと知った上でどうするか判断すると良いです。
クレジットカードの解約(退会)はすぐに出来るからこそ事前準備をしよう
クレジットカードの解約は、本人確認と解約意思確認さえ出来れば、カード会社は電話1本で応じてくれることが一般的です。
しかし、クレジットカードの解約はカード会社と本人の間で行われるものであって、月次決済にクレジットカードを利用している場合にはクレジットカード解約前に支払い方法を変更しておかなければなりません。
また、解約に伴い残債は一括精算しなければならないと知っておけば、後日慌てることがないはずです。