クレジットカードを使うだけでマイルが貯まるなら、さぞかしお得だと考えるはずです。
しかし、実際にはクレジットカードのポイントを貯めることとマイルを貯めることは本来別のことに過ぎません。
では、なぜクレジットカード利用者の中にマイルを貯めようと頑張る人が多いのでしょうか。
クレジットカードのポイントと航空会社のマイルは似ている?
クレジットカードを利用した時に高額なポイントが付与されるのは、日本で発行されたクレジットカード独自の仕組みによるものだと考える必要があります。
なぜなら、日本ではクレジットカード決済手数料が海外の数倍と高く、高い決済手数料を原資としてポイント付与が行われているからです。
では、クレジットカードのポイント制度とマイルにはどのような関係があるのでしょうか。
マイルは各航空会社のマイレージ会員にあることで貯められる
マイルを貯めることに躍起になっていると、マイルを貯めるためにはマイレージ会員になる必要があることをつい忘れがちです。
マイレージ会員は各航空会社ごとに行っているポイントプログラムであって、航空会社がグループを形成していない限りは互換性がありません。
日本国内では主にANAとJALがそれぞれ独自のマイレージ会員を募集しており、ANAマイルとJALマイルには互換性が無いわけです。
マイルは搭乗距離と運賃により決まる
航空会社により異なるマイルであっても、基本的な獲得マイル計算方法に違いはありません。
主に次のような計算式により獲得可能な積算マイルが決まります。
「区間基本マイル×積算率=獲得出来る積算マイル数」
上記の基本式は、世界中の航空会社で同じ仕組みを採用しているので、特定のキャンペーンや特別会員資格制度が無い限りは共通です。
- 区間基本マイルは、国際航空運送協会により毎年秋に決定されるTPMと呼ばれる運賃計算専用の区間距離に基づき決められます。
例えば、羽田から札幌までの利用で510マイルというTPMが設定されているので、ANAでもJALであっても得られる区間基本マイルは変わりません。 - 積算率は、航空券の種類と運賃により各航空会社が独自に決める割合です。
羽田から札幌という同じ区間であっても、座席にはエコノミー・ビジネス・ファーストクラスといった席の種類に応じた価格設定があります。
区間基本マイルは距離により一律で決まりますが、積算率は航空会社にとってどれだけお金を落としてくれるかといった利益に与える影響度合いを反映させるために設定されるわけです。
このため、
- エコノミーならば50%
- ビジネスクラスで100%
- ファーストクラスで150%
といった積算率を設定することにより、より上位のクラスとなる席を購入してくれた会員に対して多くのマイルを付与する仕組みとなっています。
クレジットカードのポイントをマイルに移行可能なケースがある
クレジットカードのポイントをマイルに交換するためには、クレジットカード会社が独自に行なっているポイント交換プログラム次第です。
日本国内で発行されているクレジットカードの中には、1ポイントに対して交換レートを選択出来るタイプがあり、別途マイレージ用の移行手数料を支払うことで交換レートを引き上げることが出来ます。
例えば、ANA VISAカードとANA MasterCardについてはクラシック会員の場合は1ポイントを5マイルと交換出来るサービスと、年度ごとに移行手数料6,000円を支払うことにより1ポイントにつき10マイルへと交換レートを上げられます。
ANAゴールドカードとランクが高いクレジットカードについては、移行手数料無料の状態で1ポイントにつき10マイルへ交換出来る特典が付いている状態です。
ANAプラチナカードならば、更に特典として1ポイントにつき15マイルと交換出来るといった年会費とクレジットカードに応じた交換レート設定がされていることが珍しくありません。
ANAマイルとJALマイルのどちらに交換出来るかはクレジットカード次第
日本国内では2大航空会社のブランドを冠したクレジットカードについては、最初から貯められるポイントに対して交換レートが優遇されています。
また、ライバルの航空会社のマイレージとは交換出来ないという点に違いはありません。
一方、航空会社とは無縁の一般的なクレジットカードや流通系クレジットカードについては、ポイントにて交換出来るマイレージについて個別の確認が必要です。
航空会社と提携しているクレジットカード以外でマイレージ交換する際には、移行レートがやや低めとなる点に注意しなければなりません。
なぜなら、航空会社ブランドを冠したクレジットカードは、自社路線を多く搭乗してもらうために一般的なポイント交換商品よりも移行レートを良くしてあるからです。
一見するとANAとJALどちらにも無関係に思えても、クレジットカードのポイント交換先としてマイレージが選択出来るならば、交換レートの確認をしっかりしておく必要があります。
マイル同士の交換は他のポイント経由で移行するしかない
ANAマイルをJALマイルに交換したいなら、ドラッグストアで有名なマツモトキヨシのマツキヨポイント経由で移行可能です。
残念ながら交換レートが低いのでどうしてもJALマイルへ交換しなければならないといった場合以外では現実的ではありません。
ANAマイル1ポイントは1マツキヨポイントとなりますが、10,000マツキヨポイントは4,000JALマイルにしか移行出来ません。
一方、JALマイルをANAマイルへ交換することは出来ない点に注意が必要です。
世界の航空会社は3大エアアライアンスに加盟していればマイルを貯められる
世界中で運行している航空会社は、ナショナル航空会社から大手航空会社、格安航空会社に至るまで様々です。
基本的に価格重視の格安航空会社ではマイレージに参加していないことが多いですが、大手航空会社同士はエアアライアンスを形成しているので、互いにマイレージを貯めることが出来ます。
世界3大アライアンスは、次の3つです。
- スターアライアンス
- ワンワールド
- スカイチーム
このうち、ANAがスターアライアンスに加盟していて、JALはワンワールドに加盟している状態です。
では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
スターアライアンスは世界中をカバーしていてANAマイルを使える
スターアライアンスは、1997年に設立された28社という世界最大のエアアライアンスです。
ANAが加盟しているので、スターアライアンスに加盟している航空会社のチケットならばANAマイルで交換出来ます。
- ユナイイテッド航空
- ルフトハンザ航空
- スカンジナビア航空
- エアカナダ
- タイ国際航空
- シンガポール航空
といったビジネス利用で使われる路線をカバーしています。
クレジットカードのポイントをマイルに交換するならば、世界中で利用しやすいANAマイルを選択する人が多いことは確かです。
ワンワールドはJALが加盟する少数精鋭エアアライアンス
1998年に設立されたワンワールドは、15社と少なめな加盟航空会社数ですが、歴史が長くナショナル航空会社が加盟しているケースが多いという特徴があります。
ビジネスで中東エリアをカバーしているカタール航空が含まれていて、オセアニア地域最大のカンタス航空や南米最大のLATAM航空といった広域エリアカバー型の航空会社が中心です。
エアアライアンスの上級会員制度は2段階が多いですが、ワンワールドについては3段階を採用しているので最上級の会員となっていればファーストクラス相当の優待特典を受けることが出来ます。
スカイチームは成田利用者には特典が大きかった
2000年に設立されたスカイチームは、加盟航空会社数が19社と後発ながらワンワールドよりも数的には多いです。
日本国内ではスカイチームに加盟している航空会社が無いために、馴染みが少ないと感じやすいですが成田空港を頻繁に利用している人にとっては、デルタ航空が乗り入れていたためにマイレージ会員となっている人が少なくありません。
初期には、
- デルタ航空
- エールフランス
- 大韓航空
- アエロメヒコ航空
の4社でしたが、
- 台湾のチャイナエアライン
- ベトナム航空
- 中国東方航空
といった東アジアに多くの路線を持つ航空会社が加盟しています。
頻繁に台湾や中国大陸へ出張に出掛けるという利用者ならば、スカイチームのマイレージ会員となっている人もいるはずです。
ただし、スカイチームのマイレージについてはポイント交換制度はエアアライアンス内でしか使えないというデメリットがあります。
羽田や伊丹空港を利用している人ならばANAマイルを貯めておけば困ることはありませんが、成田や関西国際空港を主に利用しているならばエアアライアンスの違いはマイレージ会員選びに関わります。
航空会社のマイルを貯めると何が出来るのか
クレジットカードを使えば金額に応じてポイントが貯まり用意されている好きな商品やサービスと交換出来ますが、そもそも航空会社のマイルを貯めると何が出来るのか知らなければ意味がありません。
複数の交換先があると知っていれば、計画的にマイレージを貯めることが出来るはずです。
航空券へ交換する
マイルを貯める理由の中でも最も多い交換先は、航空券への交換です。
そもそもマイレージ会員制度が始まったことは、自社の航空路線を積極的に利用して他社航空会社との差別化を行うためでした。
貯めたマイル数に応じて航空券を交換出来るならば、自社が運行している航空路線だからこそ原価率を考えれば最も有利な還元レートを設定可能です。
貯めたマイルを使って航空券を購入するためには、必要なマイル数が確保出来ていることを事前に確認した上で先に座席を確保しておく必要があります。
航空路線の距離により必要なマイル数は変わるものの、マイルを使った支払いは正規割引航空券と同じ扱いとなるので繁忙期だからという理由で使えないという状態にはなりません。
- 国内線ならば12,000マイル~15,000マイル以上あれば航空券へ交換出来る
- 海外路線は距離により変わるので最低でも15,000マイル以上なければ厳しい
国内路線と海外路線では、手持ちのマイルが使えるエアアライアンスに属している航空券を購入する必要があります。
また、国内路線では追加料金が発生することは少ないですが、海外路線では燃油サーチャージと空港利用税が別途追加されるのでマイルにより交換した航空券だからといった完全無料で航空機へ乗れるわけではありません。
マイレージ会員の利用規約を事前に把握してマイルの有効期限に注意しよう
貯めたマイルには有効期限が設定されていることが多いので、目標額を貯めるまでといつまでも使わないことでマイルが失効してしまうことがあります。
日本国内の航空機を中心に搭乗しているならば、ANAマイルとJALマイルは双方共にマイレージ獲得から36ヶ月後の月末までが有効期限です。
順次古いマイルから消滅してしまうので、消滅しそうなマイルが航空券との引換に必要な量まで貯まっていなければ、別の方法でポイント消化しなければなりません。
ANAマイルを選ぶ人が多いことは、JALマイルよりも他のポイントへの移行がしやすいという点が挙げられます。
- ドラッグストアのマツモトキヨシを利用する機会があるならば、マツキヨポイントへの交換をしてしまえば、ANAマイルの有効期限間近であってもマツキヨポイントの有効期限とは無関係です。
- 消滅期限間近のマイルがあるならば、一旦別のポイントへ交換してしまうことで有効期限をリセットすることが出来ます。
そもそも消滅してしまうマイルならば、多少換算レートが低くてもゼロになるわけでは無いために損した気分にはなりません。
電子マネーやQRコード決済ポイントに交換
ANAマイルとJALマイル双方にとって、36ヶ月間の有効期限があることは航空券への交換をせずに失効するマイルがある程度生まれてしまうことを意味します。
日常的に世界中を飛び回っている状況ならば構わないわけですが、必ずしも航空機を使う移動を有効期限ギリギリの状態で誰もが必ず行うとは限りません。
むしろ使わずにマイルが無駄になってしまうと、競合他社のマイレージ会員へと乗り換えられてしまう可能性があります。
そこで、貯めたマイルを一定の条件に基づき電子マネーに交換することが出来れば、マイレージ会員の不満をガス抜きすることがある程度出来ます。
JALであればWAON、ANAであれば楽天スーパーポイントやTポイントといった実質的に電子マネーとして使えるポイントへの交換を行えるようになっています。
最も多いパターンとして、10,000マイルポイントを同じポイント数の電子マネーへ交換する方法です。
交換したかった航空券にマイルが届かなかった時に電子マネーへ交換する
日本国内のマイレージ会員サービスでは、近場ならば7,500マイル程度を払うことで航空券へと交換出来ます。
しかし、実際に目標としている航空路線は別であることが多いので、交換したいと考えていたマイルポイント数に36ヶ月かけて届かないことは珍しくないわけです。
そこで、10,000マイル単位で電子マネーやQRコード決済に使えるポイントへ交換出来れば、マイルを貯めても目標に届かなければ別のものに交換すれば良いと判断出来ます。
しかし、無制限に電子マネーへ交換されてしまうと航空券への交換が減ってしまうことから、各電子マネーごとに高還元率で交換出来る量が制限されています。
実際に日本国内の航空会社では、ANAマイルの方がJALマイルよりも電子マネーや他社ポイントへの交換可能な数が多くなっていて、自由度が高いためにANAマイルが集めやすい状況です。
マイルカタログの商品と交換
各航空会社ごとのマイレージ会員は、旅先で使える商品ともマイルと交換出来るようになっています。
航空券との交換には使わなかったけれども、旅先でレンタカーを手配する際の料金支払に使うことも可能です。
マイルカタログに掲載されている商品は、それぞれのマイル数に応じた中から自由に選択して使えるのでクーポン券利用だけでなくレストラン予約やグルメ食材との交換も出来ます。
マイルカタログに掲載されている商品やサービスならば、申請を出すだけで自宅まで届けてくれるからこそマイルの有効期限切れが迫っていたら実際に消滅する前に使ってしまえば問題ありません。
正規航空券なら座席のアップグレードにマイルが使える
マイレージ会員サービスを利用する先に重宝する使い道として、マイルを座席のアップグレードに使う方法が認められています。
ただし、注意しなければならない点として、アップグレード可能なグレードは購入した航空券に対して1ランク上のみという制限事項が付いています。
- エコノミークラスならビジネスクラスへアップグレード
- ビジネスクラスならファーストクラスへアップグレード
このため、エコノミークラスから2ランクアップしたファーストクラスへのアップグレードをマイルを使ったアップグレード特典により行うことは出来ません。
無制限にアップグレードを許してしまうと、残念ながら航空会社の利益率が大きく下がってしまいます。
そこで、アップグレード可能な範囲を予め1グレードのみと決めておくことで、マイレージ会員が暴走しないようにしているわけです。
実際に同じ航空路線であってもエコノミークラスとビジネスクラスの差額よりも、ビジネスクラスとファーストクラスの差額の方が大きいことは珍しくありません。
マイルを利用したアップグレードは、航空会社の利益を削ることになるからこそ、ある程度の範囲内留めておきたいわけです。
正規航空券なら割引運賃であってもアップグレード対象となる
航空券の販売は、航空会社が直接販売する正規航空券だけでなく団体旅行や格安チケット手配を行う代理店による包括旅行運賃があります。
マイルを使ったアップグレードが行えるのは、あくまでも個別販売している正規航空券のみであって、旅行手配による個別運賃で航空会社が販売しているわけではない包括旅行運賃には適用されません。
旅行会社や格安航空券販売サイトを通じた手配では、会社間で取り交わされる多数の座席に関してまとめて販売する包括旅行運賃という契約方法が行われています。
正規航空券とは異なり団体旅行や旅行パッケージといった扱いに航空券が含まれるため、実際の運賃が航空券の券面からだけでは分からない航空券についてアップグレードを行って航空会社の採算性が上手く取れない可能性が出てしまうわけです。
正規航空券ならば販売価格を航空会社が把握出来ているからこそ、アップグレード特典を使った結果については、社内にて精算処理をすぐに行うことが出来ます。
クレジットカードとマイルの関係は日本と海外では大きく異なる
クレジットカードを利用していると、空港ラウンジを使えるといったメリットがあるからゴールドカードやプラチナカードにしているという人が少なくありません。
マイルを貯めようと頑張っている人の中には、必ずしも空港ラウンジを頻繁に使う人ばかりとは限らず、日本独自の事情が含まれています。
日本では陸マイラーと呼ばれる人が多い
日本のクレジットカード利用者の中には、世界一正確な鉄道網が張り巡らされているために日常的に航空機を使う人はさほど多くありません。
4時間の壁という交通業界では有名な言葉があり、旅行者やビジネス利用では移動時間が4時間を超えると航空機が優先的に使われるようになります。
国土がさほど広くない日本では、航空機にはスピードが求められていて普段は鉄道網を利用している人が少なくありません。
遠距離への旅行時に使うためクレジットカードのポイントとマイレージ会員としてのマイルを並行して貯めようとする陸マイラーが多くなっています。
ANAカードやJALカードのように日常のショッピング利用であってもマイルを貯めることが出来る仕組みならば、航空会社にとっては実質的な囲い込みを行えるメリットがあるわけです。
普段は航空機をさほど利用しない陸マイラーが生まれるのは、日本独自のポイント還元率にあります。
クレジットカード決済手数料が高い日本ではポイント還元率も高い
加盟店が黙って負担をしているクレジットカード決済手数料は、決済時の現金比率が高い日本では商業ベースに乗せるためにクレジットカードならポイント還元されてお得という路線で普及に努めていました。
海外では現金に対する信頼度が低く、高額紙幣を持っているだけで強盗に狙われるという治安の悪さからクレジットカード決済が求められています。
必要に迫られているからこそ日常生活の大半がクレジットカード決済やデビットカード決済となるので、取引数が多くなり決済手数料が低く抑えられます。
アジア圏でキャッシュレス化が進んでいる国では、決済手数料が0.25%~1%と日本国内では考えられないほど低いからこそ、加盟店に大きな負担となりません。
陸マイラーが日本で生まれやすいことは、カード決済手数料が3%~8%という海外と比較して極めて高いカード決済手数料を原資としたポイント還元率が高く設定されているからです。
海外では航空会社提携のクレジットカード以外は専用のマイレージシステムが必要
海外ではカード決済手数料が安くなっているので、必ずしもクレジットカード会社が付与するポイントは高くありません。
海外では年会費永年無料のクレジットカードが珍しいことから分かるように、クレジットカードは年会費を支払ってクレジットカードのランクに応じたサービスを並行して受けることになっています。
このため、クレジットカード決済で航空券を購入しただけではマイルが貯まることは無く、別途年会費またはクレジットカード会社の特典としてフリークエントフライヤープログラムに加入してマイレージ会員とならなければなりません。
航空会社公認のクレジットカードならマイルを貯めやすい
航空会社公認のクレジットカードならば、一般的なクレジットカードよりもマイルを貯めるという目的では有利となります。
最も有名な航空会社のクレジットカードとしてANAマイレージカードがありますが、楽天Edy内蔵のクレジットカードとなっているために楽天Edyを使うだけで200円につき1マイル貯まるわけです。
特別な移行手続きをしなくても日常生活でクレジットカードと楽天Edyどちらを使用してもマイルを貯められることになるので、航空会社公認のクレジットカードがいかにマイルを貯めやすいかが分かります。
また、ゴールドカード以上には専用のマイルを貯めやすいコースが用意されているので、効率よくマイルを貯めることが出来るわけです。
陸マイラーとしての活動は補助的?クレジットカードのポイントでマイルは貯まりにくい
クレジットカードのポイント還元率は、一般的に利用金額の0.25%~1.0%が一般的であって、1.5%を超える還元率は特定の目的に特化されたクレジットカードに限定されています。
1.0%以上のポイント還元率ならば十分に高還元率のクレジットカードと認識して構いません。
では、陸マイラーのままではクレジットカードでポイントを効率的に貯められないのでしょうか。
日本のクレジットカードは年会費が安くポイント還元率が高い
日本のクレジットカードは、海外とは異なり初年度会費無料だけでなく年会費永年無料といったクレジットカードが少なくありません。
海外に友人がいる人なら驚くように、必要に迫られて作ったクレジットカード以外に年会費永年無料に誘われて何枚も同じ国際決済ブランドが付いたクレジットカードを保有してしまう人が少なくありません。
ゴールドカードでさえ年会費が数千円から2万円程度で収まってしまう点を考慮すれば、年会費だけを原資としてポイント還元率に反映させているわけではないことが分かります。
また、クレジットカードを利用する際に一括払いでの決済率が特に高い日本では、クレジットカード会社が分割払い利息で稼げる割合が少ないことを意味しているわけです。
ポイント還元率が1.0%以上となるクレジットカードを利用して、還元されたポイントを集めてマイルへ交換することで好きなタイミングでマイレージを獲得することが出来ます。
ポイント還元率の高さが陸マイラーを増やす結果に繋がった
ポイント還元率が1%のクレジットカードならば、100円利用につき1円相当のポイント還元を受けられることになります。
クレジットカードの種類によるものの、1ポイントにつき1マイルとの交換が可能なクレジットカードならば、年間100万円程度の利用で10,000マイルに到達することになるわけです。
確かにクレジットカードごとに還元率やマイルへ移行する際の交換レートに違いがあるものの、海外のクレジットカードでは日本円にして数万円以上の年会費を支払わない限り得られないマイレージを手軽に獲得することが出来る点で魅力的です。
クレジットカードごとにポイント還元率は変わるものの、ゴールドカードやプラチナカードの中には還元率が1.5%に到達するものも少なくありません。
100円のクレジットカード利用につき1.5マイル獲得出来ると考えれば、年間100万円の利用で15,000マイルに到達することになり、国内線及び近距離国際線の航空券と交換可能な範囲まで広がります。
海外のクレジットカードで同様の高還元率を達成出来る所は少なく、リボ払い専用クレジットカードまたはステータスカードの一部に限られる状態です。
航空業界の正規割引航空券が効率よく販売出来るようになって積算率が見直されている
航空業界では、かつてのチケット販売方法から改善されてオンライン販売だけでなく空席を減らす工夫が行われています。
旅行代理店や格安チケット販売サイトといった航空会社にとって収益率を下げる要因となる包括契約方式によるチケット販売方法の割合を下げて、正規割引航空券の販売割合を高める工夫を実施中です。
効率よく航空券の販売が出来るようになったことで、マイルを貯めて座席のアップグレードを狙う利用者が増えています。
また、包括販売よりも利益率が高く空席数管理をしやすい正規割引航空券の比率を高めるために、マイル付与の基準となる積算率が見直されている状況です。
座席の種類をより細かくクラス分けすることにより、細かく積算率を設定して頻繁に航空機を利用する人がより多くのマイレージポイントを獲得出来るように工夫されています。
クレジットカードのポイントをマイルへ移行する陸マイラーと航空機利用率が高い顧客のバランスを調整するために、マイルの算定基準として調整しやすい積算率で航空会社は実質的に顧客管理をしていることになります。
クレジットカードでマイルを貯めるなら使い道を計算して計画的に行おう
クレジットカードの利用金額に応じてポイントが貯まる制度は、信販会社が独自に行うものです。
同様に航空会社が付与するマイルは、マイレージ会員となった顧客に対するポイントサービスと考えられます。
クレジットカードのポイント制度とは異なり、航空券への引き換えが出来るというメリットを活かしつつ、目標マイルを定めて計画的にマイルを貯めることが重要です。
なぜなら、航空券へ交換するために必要なマイル数は路線ごとに異なる距離により変わるからです。
有効期限が36ヶ月に設定されているマイルだからこそ、目標とするポイントに到達できない時に代替手段として様々なマイル交換先を航空会社では用意しています。
まとめ
- 各航空会社のマイレージ会員になりマイルを貯められる
- 有効期限が36ヶ月に設定されている
- マイルを貯めると航空券やマイルカタログの商品と交換出来る