クレジットカードで買い物をする際には、手数料を気にせず決済している人が多いですよね。
しかし、カード会社は、営利目的でクレジットカード事業を営んでいます。
少なくとも複数の手数料が発生しているんです。
年会費永年無料のクレジットカードが発行されているように、手数料収入でカード事業は成り立っています。
大きく分けると、以下の2種類の手数料が中心です。
- 加盟店が支払うカード決済手数料
- 消費者が支払う分割払い金利手数料とリボ払い手数料
あなたが選んだ支払い方法によっては、金利手数料を取られることに。
そこで
- 分割払い
- リボ払い
については、例を挙げて金利の計算方法も解説。
高額利用の前に、どのくらいの手数料を余計に払うことになるか確認してください。
もちろん他の手数料についても解説します。
クレジットカードを無駄なく賢く利用するためにも、しっかりと理解してくださいね。
クレジットカードは手数料収入で成り立っている
クレジットカードは、年会費永年無料のクレジットカードが発行されていることからも分かるように、手数料収入により事業が成り立っています。
大きく分けると、以下の2種類の手数料が中心です。
- 加盟店が支払うカード決済手数料
- 消費者が支払う分割払い金利手数料とリボ払い手数料
このうち、加盟店が支払うカード決済手数料は、消費者の目に触れないように利用規約で厳しく隠されています。
年会費無料のクレジットカードは何を収入源としているのか
年会費無料のクレジットカードは、初年度のみ年会費無料というタイプだけでなく、年会費永年無料というクレジットカードが存在します。
では、年会費永年無料にも関わらずなぜポイント還元を付与出来るのでしょうか。
実は、消費者がクレジットカード決済を行うと、販売店はカード決済手数料をカード会社から強制的に徴収された上で残りの金額を後日まとめて振り込まれる仕組みが採用されています。
販売店からカード決済手数料を徴収した中からポイント還元費用を捻出しているので、ポイント還元よりも遥かに高額なカード決済手数料が設定されているわけです。
また、クレジットカードを利用する際に分割払いやリボ払いを利用すると、金利手数料を分割払いの状況に応じて支払うことになるので、借金を行った時の利息払いに相当する金額を分割払い手数料として支払っていることになります。
クレジットカードを使うとポイント還元を受けられるのは手数料が元手
クレジットカードを使った際に付与されるポイントは、カード決済手数料が3%~8%という高額設定となっているために、1%ポイント還元を行っても十分な利益が出ます。
ポイントに有効期限を設けることで、実際に使用されるポイントが半分程度に抑えられることから、永久にポイントが消滅しないポイント還元率ほど低くなりがちです。
カード会社は他社との差別化を行うためにポイント還元を行っていますが、いくらポイント還元をおこなってもカード決済手数料よりも遥かに低いためにクレジットカード利用金額が増えるほどカード会社の手元に残る利益は大きくなります。
ステータスカードはホスピタリティを重視する
年会費が1万円以上となるプラチナカード以上のステータスカードは、ポイント還元率が高いだけでなくコンシェルジュサービスや空港ラウンジサービスといったホスピタリティを重視した運営を行っています。
一般カードと比較してポイント還元率が高いことは、毎月の利用金額が多いことからカード会社側にもメリットはあり、手数料が多く入る分だけ還元率を高くしても利益が見込めるわけです。
年会費は主に一般カードには無い特典を安定して提供するために使われるので、常に年会費が一定とは限りません。
日本でクレジットカードが普及しない最大の原因は高額な手数料にある
中国でQRコード決済が急速に普及してキャッシュレス決済が増えた理由は、QRコード決済手数料が僅か0.25%~0.5%程度と極めて低い手数料が設定されているからです。
日本国内で発行されているクレジットカードは、カード決済手数料が3%~8%程度と高額となっていて、一部の大規模店舗以外はクレジットカードの手数料が経営を圧迫している現状があります。
よくある例として、次のようなパターンを想定してみるといかに加盟店にとって高額な手数料となっているかが分かります。
消費者が支払うクレジットカードの手数料
消費者がカード会社へ支払う手数料は、年会費とは別に特定の取引を行った場合のみ負担する仕組みです。
消費者は分割払いやリボ払いで高額な分割払い手数料を支払う
- 分割金利手数料
- リボ払い手数料
は、どちらも手数料という名称が付いています。
でも中身は借金の利息と変わりません。
消費者が支払う分割払いやリボ払いの分割金利手数料は、ショッピング利用時なら数%~15%程度とバラバラです。
カード会社は、
- 加盟店から:カード決済手数料
- 消費者から:分割払い手数料・リボ払い手数料(実質的な利息)
を受け取っています。
ショッピング利用時は、加盟店と消費者両方から手数料を受け取れる仕組み。
だからこそ、キャッシングよりも低金利設定が行われているわけです。
当然ですが、クレジットカードは、一括払い、ボーナス一括払いならこれら分割金利手数料はかかりません。
外貨で決済した場合には為替手数料
海外でクレジットカードを利用する際は、為替手数料を忘れてはなりません。
為替手数料は、現地通貨で決済を行う際に発生するものであって、
- 利用時
- 請求時
の為替相場による差が発生することが原因です。
だから現地通貨で支払いが出来る預金口座でクレジットカード決済しているなら、支払う必要がありません。
でも日本人が日本国内発行のクレジットカードを海外で使用した際には、為替手数料の請求を免れることは出来ませんよね。
なぜなら、為替手数料を支払うことで現地通貨を自分で調達して支払うことを免除されているからです。
海外のネット通販サイトを利用するときも、外貨建て決済だと為替手数料が必要になります。
キャッシングの金利はカード決済手数料が入らない分だけ高い
クレジットカードには、希望制により審査を経た上でキャッシング枠が設定可能です。
全てのクレジットカードにキャッシング枠設定があるわけではなく、一部のクレジットカードだけです。
でもショッピング枠のうち、一部をキャッシング枠設定出来るように利用規約で定められています。
クレジットカードは、加盟店でショッピング利用してもらうことがメインですよね。
その場合、カード決済手数料と上記分割払い手数料の2重取りが可能。
カード会社は、高い利益を挙げられる仕組みです。
しかし、キャッシングは、直接クレジットカードを使って現金を融資する仕組み。
カード会社が受け取れるのは、分割金利手数料という名の利息のみです。
クレジットカードのキャッシング枠には、利息制限法で定められた上限金利ギリギリの15~20%という極めて高額な金利設定が行われています。
貸し倒れリスクと、なるべくキャッシング枠を使って欲しく無いという表れです。
その他に手数料が発生する場合
クレジットカードでは、
- リボルビング払い(リボ払い)
- 分割払い
- 為替手数料
- キャッシング
の他にも、手数料が発生するケースがあります。
毎月の支払いが遅れた場合に発生し、上限金利20%。
また遅延損害金は、毎月の支払額ではなく元金に対して発生することも大きな特徴です。
元金×遅延損害金の金利(%)×日数÷365日=返済するまでの遅延損害金
手数料に関しては、クレジットカードによって少し変わってきます。
おすすめのクレジットカードが知りたいという方は、下記の記事を参考にしてください。
メイン使いや2枚目のクレジットカードなど、状況に合わせたおすすめのカードを紹介しています。
支払う金利手数料はいくら?計算方法は分割、リボともに同じ
金利手数料の計算方法は、分割払い、リボルビング払いのどちらも変わりません。
従って、初めて利用した直後に支払う金利手数料は、分割払いもリボルビング払いも同額です。
しかし、返済回数が違うので、支払終了時までに負担する金利手数料には大きな違いが出てきます。
リボルビング払い:支払回数・元金定額方式・元利定額方式での違い
リボルビング払いにおいて、支払完了までにどれぐらいの金利手数料が発生するのか。
返済回数や元金方式、元利方式で比較してみましょう。
- 利用金額は10万円
- 金利は年12%
比較 | 元金定額方式 | 元利定額方式 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
毎月支払額 | 20,000 | 10,000 | 5,000 | 20,000 | 10,000 | 5,000 |
初回支払額 | 21,000 | 11,000 | 6,000 | 20,000 | 10,000 | 5,000 |
支払回数 | 5 | 10 | 20 | 6 | 11 | 23 |
支払総額 | 103,000 | 105,500 | 110,500 | 103,112 | 105,898 | 112,135 |
金利手数料総額 | 3,000 | 5,500 | 10,500 | 3,112 | 5,898 | 12,135 |
同じ方式であれば、毎月の支払額が多い方が金利手数料の総額は少なくなります。
また、毎月の支払額が同じであれば、元金定額方式の方が元利定額方式よりも金利手数料の総額は少なくなります。
毎月の負担が大きいと感じるのであれば、支払額は少なく設定。
余裕分を随時繰上返済していくのも良いですね。
分割払い:支払回数・元金定額方式・元利定額方式での違い
リボ払いと同様に、分割払でも比較してみましょう。
- 利用金額は10万円
- 金利は年12%
比較 | 元金定額方式 | 元利定額方式 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
支払回数 | 4 | 8 | 12 | 4 | 8 | 12 |
毎月支払額 | 25,000 | 12,500 | 8,333 | 25,628 | 13,069 | 8,885 |
初回支払額 | 26,000 | 13,500 | 9,333 | 25,628 | 13,069 | 8,885 |
支払総額 | 102,500 | 104,500 | 106,500 | 102,512 | 104,552 | 106,619 |
金利手数料総額 | 2,500 | 4,500 | 6,500 | 2,512 | 4,552 | 6,619 |
リボ払い同様、金利手数料の総額は元利定額方式で支払回数が多いほど多くなります。
だからどちらでも大きな差にはなりません。
一方、リボルビング払いでは、方式の違いで支払回数が変わることに。
金利手数料の総額が大きくなります。
つまり、支払回数が金利手数料に大きく影響するんですね。
締め日の翌日から金利発生
でもクレジットカードでは、買い物をした日ではなく、締め日の翌日から金利が発生します。
例えば締め日が15日であれば、翌日16日から金利が発生します。
クレジットカードの中には、初回支払日までは金利手数料なしというリボルビング払いも。
それまでに繰上返済をすれば、金利手数料無料で支払えます。
キャッシングなら締め日前までに返済すると、金利ゼロで借り入れできるんです。
クレジットカード加盟店が支払うカード決済手数料
クレジットカードでカード会社が最も大きな利益を得る部分は、ショッピング利用時のカード決済手数料と考えられます。
なぜなら、販売店が自社の決済システムを使い会計を行うだけで、常に一定割合のカード決済手数料を受け取れるからです。
加盟店が支払う手数料はカード会社との力関係で決まる
クレジットカード加盟店は、カード決済手数料を負担。
その上で、カード会社による立て替え払いを利用しています。
日本国内では、カード決済手数料の割合が3~8%が一般的です。
- VISAやMasterCard:手数料3~5%
- JCB:手数料5~8%
加盟店が支払うカード決済手数料は、カード会社と加盟店の力関係で手数料率が変わります。
そのため、同じ業種でも3~20%まで様々です。
信じられないような高額設定も少なくありません。
中小企業が運営する店舗では、カード決済手数料が高額になることを嫌がります。
JCBが使えない例が多いのは、カード決済手数料の高さが原因の1つです。
ちなみに風俗店では、決済代行会社を間に挟むことに。
決済代行会社に対する手数料も発生します。
10~20%という高額なカード決済手数料は、クレジットカード不正利用に対するセキュリティ管理費用が含まれていると考えれば納得出来るはずです。
カード決済手数料は消費者に請求すると加盟店規約違反となる
クレジットカード決済は、現金と同じ金額での決済が求められています。
だから、カード決済手数料を別途差し引いて、残りの金額しかカード会社から入金されません。
これが零細企業にとって、経営圧迫原因に。
- カード会社への手数料は加盟店が負担
- 消費者への手数料転嫁は禁止
これが、クレジットカード普及の妨げとなっています。
海外と比較してもカード決済手数料が高いことで知られているJCBを筆頭として、加盟店はなるべく現金決済をして欲しいと考える状況です。
カード会社に通報されない程度に、クレジットカード払いと現金払いに差を設けている例が出ています。
カード決済手数料を請求されたらカード会社へ通報しよう
カード決済手数料の上乗せ請求は、クレジットカード加盟店規約で禁止されています。
もしされた場合は、
- その場で断る
- 現金払いを行う
と問題ありません。
でも手持ちの現金が少ない場合には、一旦上乗せ請求に応じる。
その後、クレジットカード会社へ通報する方法があります。
クレジットカード加盟店は、カード会社からの指導により返金処理を行うことに。
同時にクレジットカード決済の継続有無を販売店に促す結果にも繋がります。
後日訪れた時には、現金決済専門店となっていることが。
カード会社へ通報する権利はありますが、2度と利用しづらい状況となりかねません。
クレジットカード決済手数料を請求されたら、その場で店舗へ注意を促し現金払いがスマートな方法です。
クレジットカードは手数料を考え計画的に利用しましょう
消費者が負担するクレジットカード手数料には、
- 為替手数料
- 遅延損害金
- キャッシング
などがあります。
でも主な手数料は、
- 分割金利手数料(消費者負担)
- カード決済手数料(加盟店負担)
の2種類です。
ただ、カード決済手数料は、消費者に請求できないルール。
しかも
- 一括払い
- ボーナス一括払い
- 2回払い(一部のカード)
なら、分割金利手数料はかかりません。
だからこそ、分割払いやリボ払いを利用しない場合、手数料を気にせずにクレジットカードが利用できるんです。
支払回数が少ないほど、金利手数料の総額も少なくなります。
だからと言って、毎月大きな負担になる支払方法はおすすめできません。
急な出費に、対応しにくくなります。
毎月の支払いは、少し余裕がある程度に留めておくのがおすすめ。
お金が貯まったら、繰上返済すると金利手数料を無理なく抑えられます。
そのため、一括払いが難しい場合には、しっかりと支払い計画を立てた上で利用しましょう。