クレジットカードを利用していると、ある日突然使えなくなって困った経験がある人がどれくらいいるでしょうか。
まだクレジットカードを使い始めて間もない人とは異なり、利用経験が長い人ほどクレジットカードの磁気不良による動作不能を経験しています。
近年は電磁波を大量に出すスマートフォンが普及しており、磁気抜けを起こす原因となっています。
なぜクレジットカードの磁気不良が起きてしまうのでしょうか。
近年はセキュリティー強化のためにICチップ化が進んでいるので、クレジットカードの磁気不良問題は数年で解消されるはずです。
クレジットカードの磁気不良は4つの原因で起きる
クレジットカードには近年ICチップが搭載されているので、日本国内で発行されたクレジットカードなら磁気テープがまだ残っていることを知らない人が少なくありません。
主なクレジットカードの磁気不良が起きる原因は、次の4つに分類されます。
摩擦による摩耗が磁気不良を起こす
クレジットカードは銀行のキャッシュカードと同様に端末に通すための位置に磁気テープによりクレジットカード情報の一部が収納されています。
クレジットカードを頻繁に出し入れする際に、他のカードと重ねて財布内へ入れていると、磁気ストライプにキズがついて読み取れなくなってしまうことが珍しくありません。
クレジットカード決済端末を磁気テープ部分を通して使う際には、クレジットカード情報を通信により読み取っている状態となるので、キズが多くなると読み取り不良を起こしやすくなります。
同じ磁気テープで出来ているカセットテープについても、再生回数が多く磁気テープに無理な負荷や圧力をかけると音飛びするように、クレジットカードの磁気テープも摩擦により摩耗すると磁気不良を起こすわけです。
今でもカラオケではカセットテープが使われていて、需要がありますよ。
クレジットカードを強い磁気を発する物の近くに置く
クレジットカードの注意事項として「強い磁気を発する物の近くに置かないこと」といった項目がありますが、気づかないうちに自分でクレジットカードの磁気不良を積極的に作り出している人がいます。
現代社会で強い磁気を発する製品は、電子レンジやテレビといった家電製品だけでなく無線機も該当する点を忘れてはなりません。
特に近年急速に普及したスマートフォンへそもそも近づけること自体が、自分で磁気不良を誘発していることに他なりません。
女性に多い磁気干渉による磁気不良は、スマートフォンのカバーとしてブックタイプを選択している人が該当します。
財布にクレジットカードを入れている状態であってもバッグにスマートフォンと一緒にして入れるだけで磁気不良の原因となりやすいにも関わらず、スマートフォンのブックカバーにあるスリットへクレジットカードを入れることは磁気干渉を自分で起こしていることになります。
海外では熱暴走に伴うスマートフォン故障は保証対象外となるくらいですから、アジア圏のみでブックタイプのカバーが使われていることはスマートフォンの買い替えサイクルを故障により早めるマーケティングとも考えられるくらいです。
汚れによる磁気不良が起きる
磁気不良を発生させてしまうクレジットカードの汚れについて、思い当たる節がある人も多いはずです。
人間の皮膚から出ているケラチンを始めとする皮脂が磁気テープやICチップに付着すると、酸化により磁気テープを劣化させてしまう危険性があります。
新品のクレジットカードならば問題なくても、表面のコーティングが剥がれ始める数年後になれば蓄積してきた皮脂汚れにより磁気の読み取り不良が起きても不思議ではありません。
しかし、クレジットカードを綺麗に磨き上げることはかえって摩耗を早めてしまうので、柔らかい不織布で優しくメンテナンスしてあげる程度で十分です。
破損による磁気不良は男性に多い
クレジットカードを収納して持ち歩く場所は、男女共に財布の中というケースが一般的です。
しかし、女性ならば財布はバッグに入れて持ち歩きますが、男性はズボンの後ろポケットに入れている人が多くなっています。
電車だけでなく日常生活では座るケースが多く、その都度財布をテーブルの上に置くことは置き忘れや盗難リスクを高めるので推奨されません。
クレジットカードは硬質プラスチックで作られていますが、繰り返し圧力により曲げを繰り返されると磁気テープ部分が破損しやすくなります。
また、クレジットカードが入った財布を車に置き忘れてしまうと、熱によりクレジットカード自体が変形して破損してしまいかねません。
クレジットカードは圧力による曲げと熱にも弱いと考えれば分かるように、デリケートな存在となっています。
財布も2年でボロボロになるくらいですから、気をつけないと。
クレジットカードが磁気不良になったらどうしたら良いのか
手持ちのクレジットカードが磁気不良を起こしたら、どのような対処を行えば良いのでしょうか。
とりわけ出先ではクレジットカード決済が出来ないと困るといった事情がある人もいるので、応急処置とその後の対処方法を予め知っておくことは重要です。
以前家電量販店にてクレジットカードにエラーが出た時には、その場でクレジットカード会社に繋いでもらって承認番号を出してもらったことがあります。
しかし、クレジットカードの券面は印字部分が突起状になっていることから分かるように、インプリントと呼ばれる決済も実は有効な方法となっています。
セロハンテープによる応急処置で目先の決済を済ませる
クレジットカードの磁気不良が摩擦やキズといった原因によるものならば、磁気テープの上にセロハンテープを貼った状態で端末を通すととりあえず使えるようになることが多いです。
なぜなら、磁気そのものが抜けている磁気干渉とは異なり、磁気テープ表面の状況が悪く乱反射を起こしている状態ならば、セロハンテープにより均一な層を作ればエラーが出にくくなるからです。
クレジットカードそのものが破損している場合や、スマートフォンのブックカバーに入れていたという磁気そのものが失われている状態でなければ、応急処置として試してみる価値があります。
ATM磁気復元サービスに対応したクレジットカードなら対応ATMに入れるだけ
クレジットカード会社により異なりますが、例えばイオンカードについてはイオン銀行のATMにATM磁気復元サービスに対応している端末が存在します。
近年では三井住友銀行が銀行キャッシュカードについても磁気テープに異常がある場合に、ATMで磁気が弱い状況を検出して自動的に磁気復元作業を行っています。
なぜなら、ICチップに記載されているクレジットカード情報を改めてATM磁気復元サービスに対応したATM内で書き込みすることにより、磁気テープに磁力と共に正確な情報を書き込むからです。
全国の提携ATMでは磁気復元サービスまで対応していないので、あくまでも対応しているクレジットカードとATMの組み合わせが揃った時に行われる機能に過ぎません。
実際に磁気復元サービスを利用すると、磁気テープへの書き込み作業が行われるために普段とは異なるATMの挙動をするので慌ててしまう人が少なくありません。
残念ながらICチップが非搭載のクレジットカードについては、書き込み情報を参照するICチップが無いために利用出来ないわけです。
クレジットカード会社としても、硬質プラスチックカードを書留郵便にて届けなければならない再発行は手間と費用が掛かるので、可能な限りATM磁気復元サービスで済ませたいと考えています。
クレジットカード会社へ電話連絡してカードの再発行をしてもらおう
セロハンテープによる応急処置で一時的に使えても根本的な対処とはならないので、ATM磁気復元サービスが使えないクレジットカードならばカスタマーセンターへ電話連絡して磁気不良を申告する必要があります。
次にクレジットカードが決済出来ない状態が生まれたら、何とも言えない恥ずかしい思いを店頭にてすることになりかねません。
なぜなら、クレジットカード会社にとってはクレジットカードが使えない状態が続くことは売上に影響しますが、スマートフォンのブックカバーに入れて自ら磁気不良を引き起こした人に対してまで無料で再発行を何度も行うことは割に合わないからです。
注意喚起と磁気不良が起きる原因を周知した上で、各クレジットカード会社ごとに定められた社内規定により再発行が行われます。
クレジットカードの再発行は、クレジットカード券面の番号が変更になることから、新規発行と同じだけのコストが掛かってしまいます。
メインカード以外にサブクレジットカードを1枚保有しておくと安心
日本国内で発行されているクレジットカードは、年会費永年無料といったタイプが少なくありません。
大半のクレジットカード加盟店ならば、VISAとMasterCardブランドならば使用出来るので、JCBカードが使えないといった問題は起きにくいです。
なぜなら、クレジットカード決済を行う際の加盟店は中小企業ほど間にアクワイアラーと呼ばれる決済会社を挟むので、アクワイアラーはVISAとMasterCardの両方に対応していることが一般的だからです。
JCBについてはJCBカード自体がアクワイアラーを兼ねているために別途加盟店契約を行わなければなりません。
JCBのカード決済手数料が高いことは既に有名ですから、サブクレジットカードは使えることを優先して選ぶからこそVISAまたはMasterCardのどちらかで十分だと考えられます。
メインのクレジットカードとは異なり、これから新規発行するならば必ずICカード対応となっているので、磁気ストライプが抜けていてもICチップ対応端末にてクレジットカード決済すれば何ら問題ありません。
2枚目のクレジットカードを検討している方は、下記の記事も読んでみてください。
おすすめのクレジットカードの紹介だけでなく、選ぶ際のポイントなどもわかりやすく解説しているので役に立つと思います。
更新審査に直接影響することは滅多にありませんが、要注意人物としてマークされても文句は言えません。
クレジットカードは磁気テープからICチップへと移行が進んでいる理由とは
クレジットカードはかつての磁気テープからICチップ導入へと移行が進んでいます。
では、なぜ磁気テープとICチップの両方が搭載されたクレジットカードがまだ使われているのでしょうか。
まだ磁気テープのみのクレジットカードは存在しているのでしょうか?
磁気テープがあるとスキミング被害のリスクが高くなる
クレジットカードの磁気テープは、昔から使われてきたために既にスキミングツールが揃っています。
なぜなら、店員がカウンター内にクレジットカードを持ち込んだタイミングでスキミングを行ってしまうことが珍しく無いからです。
実際にスキミングによりコピーされてしまった磁気情報が生のクレジットカードに書き込みされて利用されると、本人による利用額かどうかはサインで決めなければなりません。
このため、近年では磁気テープがあるクレジットカードを徐々に無くしても良いと考えている人が増えているくらいです。
磁気テープに記録されている情報は暗号化されていない
クレジットカード決済を行う際にICチップが優先的に使われるようになった背景は、磁気ストライプ内に記録されているクレジットカード情報が暗号化されていないことが原因です。
磁気ストライプ内に記録可能なデータ量は、ICチップと比較して遥かに少ない情報しか無いので、暗証番号やセキュリティーコードといった情報は磁気ストライプに含まれません。
ICチップ内に記録されている情報は全て暗号化されていて、スキミングされても複製が出来ないためにスキミング対象外となっています。
このため、磁気テープに記録されたクレジットカード情報により決済可能な金額に制限をかける制度を採用している国が増えています。
先進国の多くは磁気ストライプ情報によるクレジットカード決済を段階的に廃止しており、移行期間を経て全てがICチップ化される見込みです。
日本国内では2020年を目標としてクレジットカードのICチップ対応端末100%化が進められた
日本国内では、クレジットカードへ既にICチップ導入が進んでいるので、残すは加盟店でのICチップ対応の端末を増やすことです。
海外での利用が想定されることから、クレジットカードの磁気テープが暫くは残り続けることになるものの、日本国内においてはICチップ対応が標準化されます。
このため、ICチップに記録されているクレジットカード情報をATMで読み出して磁気復元サービスを行うといった手段を取りやすくなっている状況です。
現在は移行期間だからこそ、スキミング被害に遭わないように日常的な決済時にクレジットカードが見えない位置に持ち込まれないか注意する必要がありそうですね。
磁気テープは発展途上国でクレジットカードを使うためにまだ需要がある
磁気テープを使ったクレジットカードは、国際的に見た時にまだ需要が残されていることは確かです。
日本国内とは異なり海外では現金を保有していると、保有している人のものという状態となるために高額紙幣ほど強盗被害に遭いやすくなっています。
クレジットカード決済を利用した犯罪が行われているのは、世界中でアメリカ合衆国と日本の加盟店で行われる割合が世界全体の7割を占めています。
この状況を改善するために、ICチップ化への完全移行を早めているわけであって、日本国内でも割賦販売法の改正が2016年に行われた結果として早期の完全IC化を目指しているわけです。
しかし、発展途上国ではまだ磁気テープによるクレジットカード決済端末が広く普及しており、通信状況が悪い地域ではインプリント決済まで行われています。
海外ではVISAとMasterCardの国際決済ブランドが付帯されたクレジットカードを各1枚ずつ持ち歩くことがごく一般的です。
暫くは発展途上国での利用があるために、クレジットカードに磁気テープが併用される状態が続く見込みとなっています。
クレジットカードの磁気不良は定期的なクレジットカード利用で防ごう
クレジットカードの磁気不良が気になるならば、クレジットカードを保管する際に強い磁気を発する物に近づけないという工夫が求められます。
財布に入れる際にもスキミング防止グッズを使用するなど対策を行っておけば、全てのクレジットカード加盟店がICチップ対応を完了させるまで待てば良いだけです。
クレジットカードによりATM磁気復元サービスを利用できるならば、対応しているATM端末を調べておき定期的に磁気復元サービスを使っておけば少なくとも磁気抜けを気にする必要が無くなります。